豊田徹也さんの漫画『アンダーカレント』は、10月6日に実写映画が公開された。主演をつとめたのは、かねてより原作のファンだったという真木よう子さんだ。真木さんは「漫画が好きだからこそ、大好きな作品が実写化されるときの複雑な気持ちが分かる」と、好きな作品が実写化されるファンの気持ちに寄り添い、裏切らないように細部まで気を配ったことを明かしている。
そんな原作リスペクトが話題となっている真木さん。今回は、彼女が過去に演じてきたさまざまな実写化作品に注目していこう。
■サバサバとした毒舌が痛快!『モテキ』唐木素子役
久保ミツロウさん原作の『モテキ』は、森山未來さんや長澤まさみさん、麻生久美子さんなどそうそうたるメンバーがキャストに名を連ねた。真木さんはヒロインの1人である唐木素子を演じている。
素子は主人公・藤本幸世のつとめる会社の先輩だ。激しすぎる毒舌で幸世を圧倒し、下ネタもバンバン口にするほどざっくばらんな彼女は、幸世を励まし支える存在だった。
ちなみに作中では幸世に素子が跳び蹴りをお見舞いするシーンもあり、“喝を入れてもらいたい”という人が続出したそうだ。
インタビューでは、原作ファンであることを明かしていた真木さん。ドラマ化の際には、自分に声がかからず嫉妬していたという。本作で念願叶っての出演ということになるが、しかし、素子の“毒舌”と“下ネタ”に尻込みしてしまったそうで、大根仁監督の作品でなければ出演していなかったと語っていた。
過去には、テレビドラマ『週刊真木よう子』で演出として携わっていた大根監督。インタビュー中、真木さんに対して“元カノとして来てもらった”と冗談を言えるほどの信頼関係を見せていた。
■恋に苦悩する姿がかわいい! 『脳内ポイズンベリー』櫻井いちこ役
水城せとなさん原作の『脳内ポイズンベリー』では、主人公・いちこに抜擢された。それまでクールな役が多かった真木さんにとって、恋に悩む優柔不断ないちこへの抜擢は、まさに新境地だったと言えるだろう。
役と自身の性格がかけ離れすぎていると感じた真木さんは、“挑戦”する気持ちで撮影に挑んだそうだ。
本作は、西島秀俊さんや神木隆之介さん、吉田羊さんという豪華なキャスト陣で繰り広げられる“脳内会議”が見どころで、脳内で繰り広げられる葛藤などを“会議”のように表現している様子が新鮮だった。普段はスタイリッシュでスマートなイメージの西島さんが、コロコロと意見を変える頼りないキャラクターを演じているのもおもしろい。
ところで、真木さん自身は“脳内会議”をすることはほとんどなく、頭のなかには作中で神木さんが演じた“ポジティブな思考”しかないという。普段のイメージや実際の性格とかけ離れた役を演じた真木さんの、貴重な姿を見ることができるおすすめの作品だ。