■ヤキモチ焼きな自称婚約者『地獄先生ぬ~べ~』ゆきめ

 ヤキモチ焼きで一途な雪女といえば、『週刊少年ジャンプ』に1993年から連載された原作・真倉翔氏、作画・岡野剛氏による漫画『地獄先生ぬ~べ~』のゆきめだろう。鬼の手を持つ教師・鵺野鳴介が世にはびこる様々な妖怪や幽霊を退治していく同作に登場したゆきめは、岩手県生まれの雪女である。セクシーな白装束にナイスバディが印象的なキャラだ。

 ゆきめは、幼少期に人間に殺されかけていたところをぬ~べ~に助けられて以来、ずっと恋心を抱いている。16歳になると雪女の掟に従ってぬ~べ~を攫いにくるがうまくいかず、掟を守れないと山に帰れないため童守町に住み始める。熱に弱いので、上京するときはクール宅急便で届けられていた。

 押しが強く一途なゆきめの行動は、もはやストーカーのようだ。婚約者と名乗ったり色仕掛けしたりぬ~べ~グッズを部屋中を飾ったりと、とにかくアクティブである。

 一度は山の神に冷酷な雪女にされてしまうが、ぬ~べ~のおかげで元のゆきめに戻り、最終的には想いが実って結婚する。ちなみに彼女はビジネスセンスが高く、17歳でアイス会社を起業し女社長として大成功した。

■奴良組本家の大幹部!『ぬらりひょんの孫』氷麗

 最後は『週刊少年ジャンプ』で2008年に連載が始まった椎橋寛氏による漫画『ぬらりひょんの孫』から、氷麗を紹介しよう。『ぬらりひょんの孫』は、奴良リクオを中心とした奴良組本家の面々が様々な敵と戦いながら成長を遂げていく妖怪任侠漫画である。

 氷麗は奴良組本家に所属する雪女で、リクオの世話係兼側近だ。食事の準備や洗濯、学校への送迎などを行い、リクオを見守り続けている。白装束にマフラーが特徴の美少女で、リクオの中学に編入した際も学年で5本の指に入るかわいさと言われていた。  

 気が強いところもあるが、氷麗は繊細で謙虚で献身的だった。リクオにとっては赤ちゃんの頃からいつもそばにいる家族のような存在で、七分三分の盃を交わすほど強い信頼を寄せている。

 氷麗は頭として成長していくリクオに淡い恋心を抱いていた。ただ、シャイゆえに自分から積極的にアプローチすることができない。リクオの周囲の女の子に嫉妬したり甲斐甲斐しく世話を焼いたりする、いじらしい姿が可愛らしかった。 

 はっきりと結ばれた描写はなかったが、後半になるにつれリクオも氷麗にキスをしようとするなど好意を匂わせる場面が多々描かれていたため両想いだったのだろう。

 漫画やアニメに登場する雪女はみな雪を連想させる「白」を基調に描かれており、顔立ちも美しく雰囲気も妖艶だ。彼女たちは、普段はおしとやかながらちょっとツンデレだったり怒らせると怖かったりと、性格も魅力的であった。主人公に対して淡い恋から濃厚な恋心を抱いているというパターンも多く、一途な姿も印象的である。

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