■ダイヤルと糸の組み合わせで本格的な機織り体験…トミーおりひめ
1982年にトミー(現・タカラトミー)から発売された編み機『おりひめ』は、ダイヤル番号に合わせることでさまざまな模様織りが楽しめる、当時としては画期的な“手芸トイ”だ。簡易はた織りである本商品は毛糸を利用するため子どもでも扱いやすいものの、縦糸を張るのは大変だし模様を作るための横糸の手順もなかなか複雑。筆者も近所のお姉さんから借りて夏休みの自由工作にチャレンジしたが、単純な模様のランチョンマットがやっとだった。とはいえ、完成品はかなりの出来栄えで、販売終了された今もハンドメイド女子から「優れもの」「本格的!」と評価が高い。
合併前のタカラも1980年に本物の編み機をミニサイズにした『あみもの教室』、翌81年には本物の織り物が簡単に作れた『手織教室』(※どちらも毛糸を使用)を発売していた。
そんな両社は2006年に合併するが、2021年にタカラトミーから発売された織り機『オリーナ スタイリッシュ+(プラス)』は、液晶画面と音声ナビでオリジナルニット作りが楽しめるほどの進化を遂げている。
近年はパソコンで年賀状を作るどころか、新年のあいさつはメールやLINEが主流となりつつある。ちょっとしたニットやお菓子は100円ショップで手軽に買えるし、なんなら手づくりっぽい商品も高品質で売られる世の中だ。そんな現在、こうしたおもちゃが私たちの心に癒しをもたらすのかもしれない。