■“銀箱”の輝きはマニア垂涎…任天堂の初期作
ファミコンソフトといえば、やはり大手ゲームメーカー・任天堂から発売された数々の名作も忘れるわけにはいかない。
『サッカー』や『テニス』といったスポーツを題材にしたものや、『麻雀』や『五目並べ』といったボードゲームもの、『ドンキーコング』のようなのちの人気シリーズに繋がるものまで、多種多様な作品が登場した。
初期のソフトはどれも定価3800円で販売されていたが、その後、価格を4500円に改変し、リニューアルソフトとして販売された。その際、ゲームのパッケージの“箱”や張り付けられているシールが異なったものに変更され、そのパッケージの色合いから通称・“銀箱”と呼ばれるようになった。
リニューアルするので統一感を出したい……ということだったのだろうが、今となってはこの“銀箱”版のタイトルの稀少価値が非常に高く、プレミア価格で取引されるようになっている。しかもこの銀箱に“FFマーク”と呼ばれるものがついている場合もあり、同じ銀箱でもいくつかのパターンがあるというのだから驚いてしまう。
ファミコンソフトはそれぞれ微妙に型番が違っており、それにより、どのパッケージに梱包されるのかが変わってくる。ファミコンマニアや任天堂コレクターのなかには、初期版、銀箱版、銀箱FFマーク版をそれぞれ揃えようと、各地を探し回っている強者もいるようだ。なかにはソフトがない“銀箱のみ”の状態でオークションに出回っているパターンもあり、マニアたちによって日々、熾烈な戦いが繰り広げられている。
リニューアルのために色を変えただけだというのに、まさかそれが理由で高値がつくなど、当時の開発者やスタッフは思いもしなかったのではないだろうか。
当時、子どもから大人まで夢中で遊んだファミコンソフトたちも、時が経つことで稀少価値が上がり、驚くような高値で取引されるものも少なくはない。家で眠っている思い出の品々を、あらためて見返してみるのはいかがだろうか。