ファミコンソフトといえば、当時は紙製の小箱に梱包されていたが、ゲームをやり込めばやり込むほど箱は劣化しボロボロになったものだ。それゆえに、この“小箱”の状態が良いものは現代では高額で取引されている。そこで今回は、箱が理由でプレミア化しているファミコンの超人気タイトルたちについて見ていこう。
■遊べば遊ぶほどに箱が劣化しがち… 任天堂名作タイトル編
ゲームブームの火付け役となったファミコンだが、やはり発売元である任天堂からは歴史に残る名作タイトルたちが数多く発売された。
中でも1983年に発売された『ドンキーコング』や、1985年に発売された『スーパーマリオブラザーズ』といったタイトルは、後にも数々の続編が登場している。今では任天堂の社名から、自然と“マリオ”というキャラクターを連想する人も多いのではないだろうか。
今もなお愛され続けている名作シリーズたちだが、初代作品からその人気は絶大で、子供から大人まで繰り返し遊んだものである。
当時のファミコンソフトはプラケースなどに梱包されておらず、厚い紙製のパッケージに入っていることが多かったため、外部からのちょっとした衝撃にすこぶる弱かった。そのため、箱に傷が付いたりへこんだりと、とにもかくにもパッケージが傷みやすかったのである。
現在では数多くのファミコンソフトが高値で取引されており、特に任天堂の名作タイトルともなればその価値は非常に高い。加えて、この“パッケージの箱”の保存状態の良さが価格にも影響を与え、傷がなく、綺麗な形で保存されているものについては、特に高値がつく傾向がある。
通常だと数千円で取引されるところ、パッケージ付きかつ状態が良いものであれば、数万円で取引されることも珍しくはない。ましてや、新品未使用ともなればなおのことだろう。
しかし誰もがひたすら遊んだ名作ゆえに、無傷で保存……というのもなかなか難しいのではないだろうか。
■“白欠け”が目立つ… 黒色のパッケージ箱編
ファミコンソフトを梱包していたパッケージの箱だが、当時はそのタイトルによって色が異なっており、作品の世界観に合わせた色とりどりのものが用意されていた。そのなかでも“黒色”や“紺色”の箱に包まれたものは特に目立ち、名作タイトルの多くがこの箱を採用している。
代表的なものでは、1986年に発売された国民的人気RPG作品『ドラゴンクエスト』や、人気漫画作品が原作となった1985年発売の『キン肉マン マッスルタッグマッチ』。その他、1985年に登場した『ポートピア連続殺人事件』や、1989年の『SDガンダムワールド ガチャポン戦士2 カプセル戦記』など、有名作品の数々がこの“黒色”や“紺色”など、ダーク系の箱を使っていたのである。
黒一色の箱にタイトルやキャラクターイラストが記された姿は実にコントラストが鮮やかで、手に取ったプレイヤーたちにも強烈な印象を残していた。
見た目もインパクト大なこの黒箱だが、一方で傷が付くと表面の黒が剥げてしまい、その下の白色が目立ってしまう“白欠け”という現象がつきものとなっている。これは箱の表面はもちろんのこと、特に箱の末端や角といった部分に頻繁に発生していた。
箱が黒なだけに、どうしてもちょっとした傷が際立ってしまうというのは難点である。
これらの作品も現代では千~数千円ほどで購入することが可能なのだが、箱の状態が良いものだと値段が一気に万単位まで跳ねあがる。
スタイリッシュな見た目でありながら、傷や欠けがより目立ってしまうのも、“黒”という色の悩ましい点だろう。