■傍若無人なビッグ・マムこと「シャーロット・リンリン」

 怖いと言えば、ビッグ・マムことシャーロット・リンリンを忘れちゃいけない。コミックス66巻でビッグ・マム海賊団船長、そして新世界を支配する大海賊“四皇”の紅一点として登場し、本格的な活躍は82巻で始まる「ホールケーキアイランド編」からだ。

 見た目はその異名通り、作中屈指の巨体。先ほどのモリアよりもさらに大きく、9メートル近くある。同時期の四皇である白ひげやカイドウをも超える身長で、さらに横にも大きいので四皇ナンバーワンのサイズだ。これで巨人族ではないのだからスゴイ。

 彼女の場合は、その見た目にプラスして性格も怖い。自己中心的で傍若無人、表情も喜怒哀楽がコロコロと変わる。さらに、悪魔の実・ソルソルの実の能力"魂への言葉(ソウル・ポーカス)"で「ライフ(寿命) オア ◯◯?」と選択を迫り、わずかでも臆するとその者から寿命を奪い取るのだ。先のブルックとモリアのホラー的な怖さとは異なり、人間的な意味での怖さを感じる。

 またリンリンには、『ONE PIECE』屈指と言っていいほどのトラウマエピソードもある。それはリンリンが育った孤児院・羊の家で起こったとある出来事。6歳の誕生日パーティー中、彼女はセムラというお菓子に無我夢中で喰らいついていたのだが、食べ終わって我に返るとなぜか周りにいた皆の姿がなくなっていたというものだ。ちなみに彼女には、食欲に支配されて理性や記憶を飛ばしてしまうという悪癖がある。消えた皆がどうなったのか作中でははっきりと明言されてはいないものの、その直前や直後の描写から「もしやリンリンが……?」と思えてしまう。

 果たしてこれは実写化可能なのだろうか?そう心配になってしまうくらいトラウマ級の恐怖シーンだ。

 

 今回は、実写になったら怖そうな『ONE PIECE』のキャラを考察してみた。偶然にも3キャラとも自分や他人の魂を操る超人(パラミシア)系悪魔の実の能力者で、見た目だけでなく"魂を操る"というオカルトチックな能力も怖さを倍増させていた。

 Netflixでドラマが順調に作られ続けたとしても、「スリラーバーク編」のブルックとゲッコー・モリア、さらに「ホールケーキアイランド編」のビッグマムの活躍は当分先になるだろう。実写化は楽しみだが気長に待つことにしよう。

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