■王子のフリのために、防具屋で「きぞくのふく」を購入

 こうした突如あらわれる強敵との出会いだけでなく、情報が乏しく初見プレイヤーを詰ませてしまうような要素も『ドラクエ6』にはあった。

 主人公一行が下の世界のレイドックに訪れると、王や王妃は眠り続け、王子も行方不明という危機的な状況に陥っていた。

 城内に入る方法を探すために町人に話を聞くと、主人公が王子に似ていて、王族のような服装だったら騙されるかもしれないといわれる。ここで多くのプレイヤーはきっと「王族のような服装を、どこかに探しに行くのだろう」と考えたのではないだろうか。

 しかし、服装のヒントを探そうと話を聞いたり、レイドック周辺を歩いてみたりしても一向に情報は得られない。というのも、実は防具屋に売られている「きぞくのふく」こそ、城内に入るためのイベントアイテムなのだ。

 まさか市販のアイテムがイベントを進めるとは思えず、ここで詰んでしまった…というプレイヤーもいるかもしれない。ちなみに筆者は子どものころ、「きぞくのふく」のかっこいい響きに惹かれ、主人公に装備させていたため、イベントに気づかぬままストーリーを進行できた。

■マップやストーリーが難解で何をすべきかわからなくなる

『ドラクエ6』は、現実と夢という2つの世界を行き来するシステムになっているため、マップやストーリー理解が難しい作品だといわれている。

 序盤まではマップやストーリーを理解できるが、途中から「何がどうなって、次に何をしたら良いんだっけ……?」となってしまったプレイヤーもいるだろう。筆者も、「アモールがあったのは、上の世界だっけ? 下の世界だっけ?」とわけがわからなくなってしまったため、覚えておきたいことはメモするようにしていた。また、ストーリーは理解できなかったため、魔王を倒すという終着地点に向かって、ひたすらプレイしていたように思う。

 筆者は大人になってから『ドラクエ6』のストーリーの面白さを知ったが、初見ですべてを理解することは難しかった。今はストーリー解説記事や動画もあるため、あわせて確認すると、物語に入りこみやすくなるかもしれない。また、リメイク版以降は仲間との会話システムにより没入感が増し、ストーリーもより楽しめるようになっている。

 今回は『ドラクエ6』で初見殺しといわれている5つの要素を紹介した。初見殺し要素はゲームのスパイスになるため、時々であれば初見殺し要素によって死亡するのも話のネタにもなって面白い。

 最近は、ゲームにおいても初見で理解できるわかりやすさが重視される傾向にあるが、筆者個人の気持ちとしては、今後も取り入れてほしいところではある。

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