■惜しくも時間切れ!大気圏突破ならず
第5話「大気圏突入」は4機のザクが登場しているため、戦闘における名シーンが多い。ここで紹介するクラウンのザクは戦闘でやられたわけではなく、大気圏突入に巻き込まれて崩壊している。
大気圏突入のタイムリミットが迫るなか、シャアの命令が聞こえずにクラウンはホワイトベースを撃沈すべく戦闘を継続。ホワイトベースを守るべく、ガンダムも戦闘に参戦する。
しかし、ついに時間切れとなり、クラウンのザクはそのまま大気圏に突入してしまう。ザクには大気圏を突破する能力がなく、クラウンは「げ…減速できません! シャア大佐ー! 助けてください!」と悲痛に叫ぶも、ザクは大気圏突入の摩擦に耐えきれず、無残にも燃え尽きてしまった。
なお、シャアは「ガンダムも大気圏突入に巻き込んだから無駄死にではない」と考えていたが、ガンダムは単機で大気圏を突破する能力があり無傷でホワイトベースに帰還した。
ザクは「弱いMS」という印象を持たれやすいが、MSという兵器を確立した立役者であり、MSという兵器群から見ても初期に作られているのでスペックが低いのは当然だ。そもそもハイスペックなガンダムと比較するのが酷というもの。事実、作中の後半では技術が発達し、ドムやゲルググに取って代わられている。
しかし、ファンによるザクの人気が高いのもまた事実。筆者も個人的にはガンダムやジムより、ザクの無骨さが好きである。最後まで戦うザクの姿は、本作の前半でしか見られない。ある意味貴重なシーンなので、あらためて観てみてはいかがだろうか。