公開から約2週間で3780万回再生を達成した、Netflixのハリウッド実写版『ONE PIECE』シーズン2の製作決定が発表された。原作の世界観を活かしつつ、連続ドラマとしての『ONE PIECE』を打ち出した本作は世界中のファンを魅了しており、シーズン2の決定はまさに朗報だ。
シーズン2となれば麦わらの一味は「偉大なる航路」に入り、ますます現実離れした大冒険や戦いに乗り込んでいくだろう。シーズン1では悪魔の実や三刀流の再現にも果敢に挑んだ本作。さらにレベルアップする「漫画だからこそ」の要素を続編でどう表現するのだろうか?
今回は、実写版『ONE PIECE』シーズン2でどのように描かれるのかが気になる原作要素を、筆者の独断と偏見で考えていきたい。
■本命はCG? チョッパーはどう出演するのか
まず気になるのが麦わらの一味に欠かせない船医、トニートニー・チョッパーだろう。シーズン2製作告知動画では、尾田栄一郎氏が「ここから先は優秀な船医が必要」というメッセージとともにチョッパーの似顔絵を描いている。登場は確実と見て間違いない。
問題は、チョッパーを実写でどう表現するか。「ヒトヒトの実」を食べた人間トナカイであるチョッパーは、サイズもフォルムも人間離れしている。ぬいぐるみのような獣人型、トナカイそのものの獣型、どちらも生身の役者では不可能と思われる。
大柄な雪男らしい人型ならば、人間がチョッパー役を演じられるかもしれないが……ファンが見てみたいのは、やはり小さく愛らしい”あの”チョッパーだろう。
チョッパーを実写で忠実に再現するなら、まず思いつくのはCGによる映像表現だ。たとえば2019年にハリウッドで実写化された映画『名探偵ピカチュウ』では、ポケモンが現実に生きているかのような世界観をCGで表現しきっている。
シーズン2では、チョッパーが三次元の世界に違和感なく溶けこむ描写が見られるだろうか。
■尺が長すぎる…だけどやってほしい!「アラバスタ編」
シーズン2では、原作のどこまで進むかも気になるところだ。SNSでファンの声を見てみると「アラバスタまでやるのではないか」といった声が多く見られた。
「王下七武海」のサー・クロコダイル率いるバロックワークスとの長い戦いに決着がつき、ビビと別れて旅立つ締めくくりで終わるとなると、確かに区切りがいい。シーズン1ではバロックワークス所属エージェントMr.7が登場しており、伏線もバッチリである。
そこで気になるのが、尺やそれに伴う改変だ。「ウイスキーピーク」「リトルガーデン」「ドラム島」と、「アラバスタ編」は前置きとなるエピソードも含めるとかなりボリュームがある。アラバスタに上陸してからも敵味方の思惑が入り混じる群像劇が展開するため、すべての物語やキャラを実写ドラマに落とし込むのはかなり厳しそうだ。
シーズン1では90話以上からなる「東の海(イーストブルー)編」を大胆に再構成し、全8話のドラマに収めた本作。シーズン2の脚本はこれから作るようだが……「アラバスタ編」まで構想しているのであれば、ストーリーをどう料理するのかにも注目したい。