■あのラオウに勝利した!! フドウと一丸になって戦った子どもたち

 最後に、ラオウが恐れた男、フドウを取り巻く子どもたちを紹介したい。フドウは南斗五車星の1人であり、かつては鬼神と呼ばれていた。しかしユリアとの出会いをきっかけに改心し、孤児たちの養育に専念する。

 フドウはケンシロウとユリアを再会させるために奔走しつつ、ラオウに決闘を挑まれ再び鬼神となった。ラオウとの死闘で何度も倒れそうになるも、愛する子どもたちの存在を味方につけ、ラオウを追い込む。恐怖に退いたラオウにあと一歩で勝てそうだったが、最後はラオウの部下が放った矢を受けて倒れるのであった。

 フドウVSラオウの戦いは、現実にはラオウの勝利だが、精神的にはフドウが勝利している。フドウに勝利をもたらしたのは「ぼくたちは父さんの子だ」「こわくなんかないよ父さんと一緒なら」といってラオウに立ち向かった子どもたちの存在があったからだ。

 フドウは最後に「父さんは勝ったのだ」と子どもたちに勝利宣言をし、ラオウも「敗れて命を拾おうとは思わぬわ!!」と、怒りに満ちて部下を殺害している。子どもたちの哀しき瞳に宿る力が、最終的にフドウに勝利をもたらしたのだ。

 

『北斗の拳』は屈強な男たちの戦いがメインに描かれているが、子どもの登場シーンも多く、その行動がカギを握ることも多い。

 物語の序盤に子どもだったリンとバットはその後たくましく成長し、後半では大きな活躍を見せるのにも注目だ。新作アニメも待ち遠しい本作、ぜひ子どもたちの活躍にも注目しつつ、その展開に期待したい。

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