『Dr.STONE』石神千空に『【推しの子】』アクアも…真似すると“生きるのがちょっぴり楽になりそう”な漫画の主人公の考え方の画像
(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

 情報過多、競争社会、煩わしい人間関係、インフレの割に上がらない給料、世界情勢や国政への不安……現代社会は息苦しい要素であふれている。

 このような状況下で、日々漫画のキャラクターに励まされている人も少なくないだろう。確固たるポリシーを持って力強く生きていく彼らの姿は、一種の理想であり良き手本にもなる。実はそんな彼らの生き方や考え方のなかには、ある心理療法の基本原理と一致するものも少なくない。そこで今回は、心理学的にも“効果アリ”と言えそうな漫画の主人公たちの生きる姿勢をいくつか紹介したいと思う。

■客観的な出来事と主観的な思考や感情とを区別する『Dr.STONE』石神千空

 失敗するのが嫌だから挑戦もしたくない、という人は少なくないだろう。それも一つの価値観だが、そのせいで好きなことを諦めて鬱屈とした感情を抱えているのなら、『Dr.STONE』(原作:稲垣理一郎さん、作画:Boichiさん)の主人公・石神千空の姿勢が参考になりそうだ。

 科学オタクである千空のモットーは「科学は地道な探求」。地道な実験を繰り返し、トライ&エラーを重ねながら、着実に成果を出していく。注目したいのは、多くの人が失敗したときに考えがちな、“どうせ俺は無能だ”、“私の人生いつもこうだ”といった否定的な自己評価や、それに伴う傷つきに千空は決して囚われないということだ。

 人間なのだから、失敗して傷つくのは当たり前。とはいえ、ときには自分の無力を呪いたくなることもあるだろう。でも、そこで千空がまず考えるのは、“なぜ失敗したのか”と、“ではどうすれば次はもっとうまくいくか”だ。

 失敗という事実を客観的に受けとめたうえで、自己否定という主観的な思考や感情と上手に区別している。だからこそ、彼は失敗を恐れずに地道な探求を続けられるのだろう。

■価値観に沿った行動を選び続ける『【推しの子】』アクア

 家族を幸せにすること、社会的に高く評価されること、趣味の世界に没頭すること……人の価値観は十人十色だが、『【推しの子】』(原作:赤坂アカさん、作画:横槍メンゴさん)の主人公・星野愛久愛海(アクアマリン)がもっとも価値を置くことは、母親である星野アイを殺した相手への復讐だ。

 そのために、アクアはとくに興味のない芸能界に入り込み、他者を利用することも厭わない。真似するには相応の度胸と覚悟のいる生き方だが、自身の価値観に沿った行動を淡々と選び続けていく姿勢はぜひとも参考にしたいところだ。

 目的達成のために今とるべき行動は分かっているのに、気が向かない、面倒くさい、どうせできないといった理由からなかなか手がつけられない。そんなことは誰だって経験があるだろう。アクアにとっては俳優業がその一つだが、目的達成のために有効だと判断すれば気乗りしないテレビや舞台の仕事も受け、ゴールに向けて着実に歩を進めている。

 このやり方を実践するには、自分の価値観をはっきり定めておく必要がある。先延ばし癖に困っている人は、まずは自分が人生のなかで何を大事にしたいのかを、とことん追求してみてはいかがだろうか。

  1. 1
  2. 2