■カッコイイOP&12使徒が覚えられるED
平成元年版の『悪魔くん』は、主題歌も最高だった。OP曲「悪魔くん」は、アップテンポな曲にドラマチックな映像、これからの本編に向けて気分を盛り上げてくれた。まさにオープニングにふさわしいものだった。
一方、ED曲の「12FRIENDS」はラップ調の曲を採用しており、当時のアニソンとしては衝撃的だった。さらに、歌詞に12使徒を登場させ自然に名前と特徴を覚えられる仕掛けになっている。妙に耳に残る曲調で、筆者もこの歌を口ずさんで、いつの間にか12使徒を覚えてしまっていた。
この素晴らしい主題歌だが、OP・EDの作詞を森雪之丞さん、OP作曲、ED編曲をつのごうじさん、ED作曲を古田喜昭さんとアニソンを代表するような豪華なメンバーが手がけている。この御三方の代表作を挙げるとキリがないのだが、とくに森雪之丞さんが作詞を手がけた『ドラゴンボールZ』の「CHA-LA HEAD-CHA-LA」は今でも大好きな曲だ。
■お気に入りの12使徒・メフィスト2世
最後に、このアニメの肝である“12使徒”について紹介したい。『悪魔くん』に登場する12使徒たちは、人間に近い心を持った正義の悪魔だ。
12使徒のメンバーは、漫画やアニメなどシリーズごとに違うようで、筆者が観た平成元年版のアニメ『悪魔くん』では、マスコット的でかわいらしい百目、でっかくて怪力の家獣、トラブルメーカーのこうもり猫など、それぞれ特徴を持った魅力的な悪魔が登場していた。
そのなかでも筆者のお気に入りは、やはり12使徒筆頭・第1使徒であるメフィスト2世だ。アニメ第1話『魔界の見えない学校!!』で、悪魔くんはようやく高位の悪魔・メフィストの召喚に成功するのだが、そのメフィストが腰を痛めていて、その代わりに息子のメフィスト2世が悪魔くんの使徒となった。
タキシードとシルクハットがおしゃれで、さまざまな魔法を用いて戦うインテリ悪魔だ。普段悪魔くんとはよくケンカになるが、最後はやはり一番頼りになる親友的な関係がよかった。
Netflixの新シリーズでは“メフィスト3世”になっているようだが、前回のメフィスト2世の息子なのだろうか?
今回は平成元年版アニメ『悪魔くん』の懐かしい思い出を振り返ってみた。水木しげるさんの伝説的な原作漫画に、平成元年版のアニメならではの映像演出、12使徒のアニメキャラクター的魅力、盛り上がる曲などが見事に追加されていた。
ここでは紹介できなかったが、クライマックスでの東嶽大帝率いる悪魔軍団との最終決戦はめちゃくちゃ熱い。今秋配信予定のNetflix新作アニメ『悪魔くん』はどのようなものになるのか、非常に楽しみだ。