生誕４０周年を迎えた『北斗の拳』（原作・武論尊氏、作画・原哲夫氏）が話題だ。最近ではＮＨＫのドキュメンタリー番組『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』でアンコール放送されるなど、人気が衰えることはない。その上、完全新作アニメの制作も決まり、『北斗の拳 −ＦＩＳＴ ＯＦ ＴＨＥ ＮＯＲＴＨ ＳＴＡＲ−』として、シリーズアニメ化されることも決定している。
そんな話題の尽きない『北斗の拳』、主人公のケンシロウといえば無口で孤高な男のイメージが強いが、意外にも鋭くツッコむシーンも多い。有名なのがケンシロウに毒を盛ろうとする女装した“でかいババア”に対し「おまえのようなババアがいるか!!」と、クールに突っ込んだセリフだろう。今回はそんな『北斗の拳』に登場する、さりげないツッコミセリフをいくつか紹介しよう。
■卑怯な道具を使うジャギに一言「使えよ 無理するな」
まずは、ケンシロウＶＳジャギとの戦いから紹介したい。ジャギは北斗４兄弟の三男で、昔から卑怯な手を使ってでも勝ちにこだわっていた。 顔面をケンシロウに歪まされたジャギは、復讐を果たすべく残虐な行為を繰り返してきた。
ケンシロウとの最後の戦いでも、ジャギは卑劣な手を使い毒針のようなものを繰り出したが、簡単にかわされてしまう。そこに落ちていた銃に目をやるジャギ。拾おうか戸惑っているところにケンシロウが「使えよ 無理するな」の一言。もはや卑怯で弱すぎる兄に呆れているかのような、冷静なツッコミだ。
ジャギは当然のように銃を使ってケンシロウを殺そうとするものの、秘孔を突かれた腕は自らを銃で撃とうとし、慌てる始末。最後はあっけなくケンシロウにやられ「ばわ!!」のセリフとともに砕け散った。この「無理するな」の冷静なツッコミは、悲惨な最期を予見できるケンシロウだからこそ言えたのであろう。
■飲んじまった、吐かなきゃ!「こんな所で出すんじゃない」
次に紹介するのは、南斗六聖拳のレイとユダが最後の死闘を行っている途中での場面だ。ユダはレイの戦いが不利になるよう、ダムを爆破し洪水を起こさせる。ダムの放水を止めるべく動いたケンシロウは、そこでユダの部下・コマクが、ダムの放水に毒を混ぜようとしているシーンに遭遇する。
ケンシロウはコマクに蹴りを入れ、秘孔を突き、毒を無理やり飲ませる。「の…のんじまったぁ!! は…は はくんだ!!」と慌てて喉に指を突っ込むコマク。それを見たケンシロウは「こんな所で出すんじゃない」と冷静にツッコみ、コマクを蹴って抹殺するのであった。
無理やり毒を飲まされたザコキャラが慌てて毒を吐こうとし、それに対して冷静にケンシロウがツッコむ場面はちょっと面白い。ただザコをやっつけるのではなく、一言皮肉を言ってから成敗するのが、なんともケンシロウらしい。
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