『ドラゴンクエスト』といえば、家庭用ゲーム黎明期から今なお続く日本のRPGの代名詞的存在といえるだろう。
『ドラクエ』がファミコンで発売されていた当時、インターネットなんてなかったにも関わらず、誰もがゲームの裏技を知っていたり、本当かどうか分からない都市伝説まがいな噂まで広まっていた。本編クリアの役に立つようなメチャクチャ便利なものや、ネタ的にしか使えないようなものまで様々あったが、『ドラクエ』に熱中していた当時の子どもたちはいろいろ試したことだろう。
ただ裏技のほとんどが予想外に組み込まれたバグであったり、ゲームバランスを崩すものだったことでのちのリメイク作品では修正されてしまっている。今回は、ファミコン時代の『ドラクエ』で多くの子どもたちが試した珍妙・絶妙な裏ワザを振り返りたい。
■「838861枚」「いかづちのつえ再入手」金策に役立った裏ワザたち
まずは、『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』からのゴールドにまつわる裏ワザ。5章でカジノでコインを「838861枚」買うと、なぜかたった「4ゴールド」で済んでしまう。
本来、5章では「1コイン=20ゴールド」の交換レートであり、「838861枚×20ゴールド」なので、本来は「1677万7220ゴールド」かかるはずなのである。しかし、5章でこの枚数を買うと4ゴールドで済んでしまうのである。ちなみに、3章では838861枚は40ゴールドで買える。
PS版以降のリメイク作ではこのバグは修正されてしまったが、DS版では「昔はコイン838861まいを40Gで手に入れたりもしたけどよ…」なんて話すモブがいたりと、公式でもネタにされている裏ワザでもある。こういった昔からのファンにはうれしいサービス精神が詰まっているところも『ドラクエ』の人気が長く続く理由だろう。
同じくゴールドにまつわる裏ワザでは、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』から、ローレシア城の地下にいるじごくのつかいが落とす「いかづちのつえ」を何度も入手する裏ワザもそうだろう。
これは、じごくのつかいを倒すと落とす「いかづちのつえ」を入手し、それを売り払った後、復活の呪文を聞く。その復活の呪文で冒険を再開すると、じごくのつかいが蘇っている。倒すとまた「いかづちのつえ」を落とすので、それを売り払う……というのを繰り返すことで、お金に困らなくなるというものだ。
「いかづちのつえ」は19500ゴールドで売れるため、数本も売れば以降の冒険で金策は必要なくなる。
最初にこの裏ワザを発見した人は、1本しか手に入らない貴重品を「売ろう!」とよく考えたもんだとつくづく思う。ラストエリクサー症候群の人からすると、「それをすてるなんてとんでもない!」。