■野良の神と少女の出会いが運命を変える!『ノラガミ』
2011年から『月刊少年マガジン』にて連載中のあだちとか氏による漫画『ノラガミ』も、島根県が登場する作品。同作を原作に、2014年にアニメ第1期、2015年には第2期となる『ノラガミ ARAGOTO』の放送がスタート。2016年には、舞台『ノラガミ-神と願い-』の公演も行われた。
主人公である夜トは、社を持たない末端の野良神だ。社を建てるために5円という安値で働いていたが、ある日壱岐ひよりを交通事故に遭わせてしまう。事故のせいで半妖になったひよりを助けるべく、14歳で亡くなり霊魂となっていた雪音を「神器」として扱いながら様々な困難に立ち向かっていく。
神様が主人公のアニメゆえ、神様の聖地でもある島根県は外せないスポットだ。アニメでは、2期の10話に島根県松江市東出雲町にある黄泉比良坂が登場。黄泉にいる夜トを迎えにいくため、ひよりと雪音が黄泉の入口として足を運んだ場所だ。
黄泉比良坂はイザナギとイザナミの伝承に纏わる神聖な場所とされており、「古事記」でもあの世とこの世を結ぶ道として伝えられている。黄泉の国の追手から逃げてきたイザナギが大岩を投げてあの世との間に蓋をしたと言われているが、アニメの中でもその大岩が黄泉の国への入口として描かれていた。
さらに、同話で2人が訪れたJR山陰本線「揖屋駅」も実在する。駅はもちろんのこと、駅前の描写などもリアルに描かれていた。『ノラガミ』には神話の神々が登場するが、島根県にはそういった神々とゆかりある神社仏閣も多い。神話を学びながら聖地巡礼するのも楽しみ方のひとつかもしれない。
その他には、神様になった中学生・一橋ゆりえを主人公とした2005年のアニメ『かみちゅ!』でも出雲が舞台となったエピソードがあり、神や神道に関するストーリーのものが多いのも神々の聖地である島根県ならではの特徴だろう。『VIVANT』にハマり、島根県に旅行をする際は、観光の一環として様々なアニメの聖地を巡ってみるのも楽しそうだ。