■豪華なキャストが話題になった! 磯野波平役:いかりや長介さん、サザエさん役:浅野温子さん、タイコ役:国生さゆりさん

 頑固で厳格な“昭和のオヤジ”の代表格である、いかりや長介さん。いかりやさんは1992年から1996年にかけて放送された単発ドラマで、磯野波平役を演じていた。

 サザエさん一家の大黒柱である波平は、家族に振り回されながらも、いつも厳しく温かく見守る姿が印象的な、まさに“昭和のオヤジ”を象徴するキャラクターだ。

「ザ・ドリフターズ」のリーダーをつとめ、コントでも“頑固オヤジ役”を演じることが多かったいかりやさんもまた、厳格な一面や懐の深い人柄が親しまれており、まさに“ハマり役”だったのではないだろうか。

 そして本シリーズでサザエさんを演じたのは、浅野温子さんだった。浅野さんが演じた明るくパワフルで人を惹きつけるサザエさんは、「シリーズで一番好き」という声も多く寄せられるほど人気があった。思い切りの良いニカッと笑った朗らかな笑顔が印象的で、こちらも“ハマり役”という声が続出したのにも納得だ。

 ちなみに、同シリーズにはタイコ役で国生さゆりさんが出演している。タイコはパワフルなサザエさんとは対照的におしとやかな魅力が光る作中屈指の美人であるが、アイドルとして人気を博した国生さんが演じた麗しいタイコも必見だ。

 

 キャストを一新して実写化されている『サザエさん』は、それぞれ違う持ち味の良さがあり、主演をつとめるサザエさん役の女優のイメージで、雰囲気がガラリと変わっていた。

 同じ作品を実写化していても、1つとして同じものはなく、お腹を抱えて笑ってしまうコメディーあり、考えさせられる人情物ありと見る人を飽きさせない。そしてそんなところもまた、多くの人に愛される『サザエさん』の魅力なのではないだろうか。

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