■ララァの声を聞く? 2人の戦いに割って入る

 同じく最終回「脱出」にて、セイラは死者であるララァの声を聞いたような描写がある。アムロとシャアの戦いは激化し、互いのヘルメットが接触するほど肉迫した状態に。そして、アムロとシャアはララァの声を聞く。

 映像的には「アムロとシャアが接触」「ララァの思念が登場」「セイラが何かを感じる」と続くので、セイラにもララァの声が聞こえた、または姿が見えたと考えるのが自然だ。しかも、ニュータイプ特有の演出もある。

 のちの作品である『機動戦士Zガンダム』のカミーユ・ビダンはすぐれたニュータイプ能力を有し、死者の思念を力に変えていた。その力の一端を見せたとすれば、やはりセイラのニュータイプとしての資質は優れたものだったのではないだろうか。

『機動戦士ガンダム』にはニュータイプと思われるキャラクターがたくさん登場するが、意外にもシャアとセイラがニュータイプとして覚醒を見せるのは作品の後期。シャアはこの後、ネオ・ジオン総帥として活躍するが、妹のセイラは表舞台から姿を消している。投資家として活動していたことは明らかになっているが、その後どのように暮らしていたのか知りたいのは筆者だけではないだろう。

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