■痛々しい攻撃を繰り出す『鬼滅の刃』累
続いては、応用力というよりは攻撃に特化したとにかく硬い糸を使うキャラクター。『鬼滅の刃』の累は十二鬼月の1人で、2019年に放送されたアニメ『鬼滅の刃 竈門炭治郎 立志編』で炭治郎の前に最後に立ちはだかった敵だ。
クモを思わせる見た目の累は、血鬼術で鋼よりも硬いクモの糸を自在に操り、敵を切断したり縛りつけたりする。ファンから「サイコロステーキ先輩」の愛称で親しまれる先輩モブキャラクターも、累の子どもらしい見た目を侮り、登場直後に賽の目に切り刻まれたのだった。
アニメ一期の中で最も盛り上がった19話「ヒノカミ」では、ヒノカミ神楽を技に転用し新たな力に目覚めた炭治郎に反撃され、視聴者の誰もが「累を倒せた」と思う中、先に自分の首を糸で切ることで攻撃を回避してみせた。直前まで本当にいいシーンだっただけに、じゃあどうやったら勝てるんだ、と絶望したファンも多かったことだろう。
このほか、累のようにとにかく硬くて攻撃力が高く、攻撃に特化した糸を操るキャラには『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の外印や、(ワイヤーではあるが)『HELLSING』のウォルター・C・ドルネーズ、『GetBackers -奪還屋-』の風鳥院花月など枚挙にいとまがない。特に絃使いの風鳥院花月は、針術使いの筧十兵衛とのコンビネーション技も見応えがあった。
使い方次第で剛柔両方の性質を併せ持つ糸を使うキャラクター。見た目は派手な武器ではないものの、武器としてのポテンシャルは果てしなく高い。