■“魂の共鳴”があらゆるものを狩り取る! 『ソウルイーター』マカ&ソウル

 2004年から『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス刊)にて連載された大久保篤氏の『ソウルイーター』は、死神武器職人専門学校を舞台とした、一風変わった世界観が特徴のダーク・ファンタジー作品だ。

 本作には“職人”、“武器”と呼ばれる人間たちが存在しており、さまざまな形状に肉体を変化させられる“武器”に対し、それを使いこなす“職人”がペアを組むことが一般的とされている。

 主人公の少女・マカ=アルバーンは、武器の少年・ソウル=イーターとコンビを組んでいるのだが、大鎌に変化することができるソウルをマカが使いこなすことでさまざまな技を繰り出していく。

 巨大な鎌として扱うだけでも強力な武器なのだが、“職人”と“武器”が波長を合わせることで“魂の共鳴”と呼ばれる現象が発生し、“武器”はより特徴的かつ巨大な力を持つ形態へと変化することができる。これこそ、“職人”と“武器”というコンビの真骨頂。ただし、これには波長を合わせる技術とパートナーとしての強い信頼関係が必要不可欠となる。

 作中、マカとソウルもこの“魂の共鳴”を発生させることで、数々の大技を生み出している。さまざまな軌道で相手を切り刻む「魔女狩り」をはじめ、それを強化し一撃を重くした「魔人狩り」、さらに月面戦争時には究極形とも呼べる「鬼神狩り」を披露した。

 互いの魂を共鳴させることで凄まじい威力を生み出せる一方で、どちらか一方でも波長を乱すとたちまち力が弱まってしまう“職人”と“武器”との関係。コンビを組む二人の信頼関係が強さに直結する、なんとも面白い設定のキャラクターたちだ。

 

 戦うための道具としてさまざまな形態や使い方を持つ武器だが、生命が宿ることで喋ったり、意思の疎通ができる武器が登場するのも漫画作品ならではだろう。

 ともに歩んでいくパートナーとして、あるいは相手に打ち勝つための道具として……使用者との関係性も実に多種多様で魅力的だ。

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