■この寺に迷い込んだら最期…「喝」が口癖の破壊坊主「金剛上人」

 さて、最後は第104話から登場する寺の住職・金剛上人だ。弟子の銀鬼と銅鬼を引き連れているが、金剛上人は存在そのものが怖すぎる。「喝」が口癖で一見すると人の良さそうなお坊さんだが、ひとたび麻雀で勝負となれば人が変わり「破壊坊主」と化すのだ。万が一にも、この寺に迷い込んだら最期といえよう。

 どの時代においても弱者を救うのが“お寺”だと思うのだが、この漫画ではまさかの麻雀を打つお坊さんで、しかも滅法強い。なんせあの哲也が一度は完敗し、一文無しにまで追い込まれてしまうくらいなのだ。

 そのうえ、この金剛上人に敗れた玄人たちは生きて戻れないとまでいうから、すでにホラーの世界感だ。というか、こんな怖いお坊さんがいたら安心して成仏できないだろう……。哲也は見事にリベンジを果たすのだが、よくあの場所へまた足を踏み入れることができたものだ。

 

 哲也はさまざまな玄人と麻雀を打つのだが、どの人物も一癖あるヤツばかり。とくに麻雀は心理戦になるので、相手の心を覗き込むような玄人は表情からして怖すぎる。

 終戦後の混沌とした時代だけにこんなヤツらがいてもおかしくはないのだろうが、一緒に麻雀は打ちたくないものだな。

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