■コワモテ演技も光る

 さて、上記2作は実写化作品といえどリアルな作風だったが、ファンタジー作品でも玉木さんの演技は光る。

 2022年公開の映画『キングダム2 遥かなる大地へ』と2023年7月公開の映画『キングダム 運命の炎』では昌平君を演じた。『キングダム2 遥かなる大地へ』では最後に少しだけ登場しセリフもなかった昌平君だが、その存在感は絶大だった。

 昌平君は佐藤浩市さん演じる呂不韋に従う秦の総軍師で、どこかアンニュイな雰囲気を漂わせる姿は美しさを感じる。『3』ではようやく本格的に活躍するということで、賢明さと誇り高さを存分に表現した玉木さんはファンには堪らない役柄だった。

 一風変わったところでは2020年放送のドラマ『極主夫道』の主人公・黒田龍も印象的だった。元裏社会の人間ながら今は主夫業に勤しむ龍が、コワモテで家事をしたりと日常を過ごす様子は爆笑を誘った。

 こうして並べてみると、玉木さんの演じる役は幅広く、彼の魅力が多方面に渡っていることが見てとれる。その美しい外見からイケメンキャラはお手の物、しかしコメディ要素もなんの恥じらいもなく全力で挑んでくれるので、まったく嫌味がなく安心して見られるのだ。『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉もきっと彼を代表する作品の一つになることだろう。

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