国民的アニメ『ドラえもん』の主人公・ドラえもんが9月3日に誕生日を迎えた。これを記念し、9月2日にはアニメ『ドラえもん誕生日!できたらいいなスペシャル』を放送。ドラえもんの正確な誕生日は2112年9月3日なので、実際に誕生するまであと91年ということになる。
『ドラえもん』といえば、ひみつ道具を使ってのび太の願いを叶えていくのが大筋のストーリー。普段ののび太はワガママで、ドラえもんの忠告を無視して失敗することも多い。しかし、時折描かれるドラえもんの故障エピソードでは、彼が意外なほどの急成長を遂げ、困難な状況を解決していく感動的な一面を見せる。
そこで今回は、ドラえもんの故障シーンで見せたのび太の成長シーンを3つピックアップ。劇場版から2つ、コミックスから1つのエピソードを紹介したい。
■故障したドラえもんとの二人旅
まずは、劇場版で初めてドラえもんが故障するシーンが描かれた1992年公開の映画『ドラえもん のび太と雲の王国』から。
天上人が住む雲の国に迷い込んだのび太たちは、脱出する際に落雷に遭い、散り散りになってしまう。のび太はドラえもんと合流を果たすが、そのときのドラえもんは雷に打たれて故障しており、言動がめちゃくちゃだった。
最初は泣いていたのび太だったが、故障したドラえもんを見たのび太は、地上への帰還を決意。まともな言葉もしゃべれず意思疎通のできないドラえもんの手を引いて、少しずつ歩みを進めていくのだ。
多くの人から助けられたとはいえ、ひみつ道具に頼ることなく、地上への帰還を果たす。このときののび太からワガママぶりは一切見られず、いつものようにドラえもんに笑顔で語りかけ、どら焼きまで食べさせ、むしろ頼もしさを感じるほど。普段は浮き足だって失敗ばかりしているのび太だが、危機的状況に対して慌てず着実に物事を進めて目的を達成する様子は驚嘆の一言だ。
■ドラえもん行方不明!勇気と機転で道を切り開く
続いて、劇場版『ドラえもん のび太とブリキの迷宮』を紹介する。『雲の王国』の翌年である1993年に公開されており、本作はドラえもんが故障したり恐怖に満ちた迷宮が登場したり、トラウマとなるほど衝撃的な展開が多い意欲作だ。
本作の序盤で、スキーのできないのび太でもできるひみつ道具を出してほしい、とワガママを言う。ドラえもんは渋々「ウルトラバランススキー」を取り出すが、のび太はろくに説明も聞かずに飛び出してしまった。
その直後にドラえもんはチャモチャ星のロボット軍にとらわれ、拷問を受けて故障してしまい、海に捨てられるという衝撃の展開を見せる。一方、のび太は紆余曲折を経てドラえもんがさらわれたことに気づき、助けに行くことを決意する。
道中でロボット軍に追い詰められるが、スペアポケットの存在に気づき、テキオー灯やミニドラを使ってドラえもんを救出。どんなに怖くても、友だちを助けに行く勇気を発揮したのび太が道を切り開いていった。