『将太の寿司』『焼きたて!!ジャぱん』でも…さすがにありえない!料理バトル漫画であった“ヤバすぎる妨害”3選の画像
週刊少年マガジンコミックス『将太の寿司』第25巻(講談社)

 料理漫画には、料理人同士が競いあう「料理バトル」をメインとする作品がとても多い。最高の一皿で審査員や対戦者を唸らせる料理合戦は、王道バトル漫画にもひけをとらない熱さがある。そんな料理バトル漫画につきものなのが、卑怯な敵による妨害行為だ。挑発ぐらいはかわいいもので「料理対決にそこまでする!?」と、思わずツッコみたくなる暴挙も少なくない。

 今回は「料理バトル漫画」で起こった、とんでもない妨害行為をお届けしよう。

■料理大会のために人身事故も辞さない『将太の寿司』

 “料理バトル漫画の妨害”……このテーマで絶対に外せないのが、1992年から『週刊少年マガジン』(講談社)で連載された寺沢大介氏による『将太の寿司』だろう。主人公・関口将太が一人前の寿司職人を目指す本作は、歴史に残る名作寿司漫画だ。

 そんな『将太の寿司』では漁船への細工や海苔産地への放火など、あまりにひどい妨害が多く登場した。そのなかでも凶悪すぎた妨害として、電車による人身事故を偽装したエピソードを取りあげよう。

 伝説の寿司職人にして将太のライバル・大年寺三郎太は全国大会3回戦の前日、駅のホームで線路に落ちかけている女性を見つける。彼女を救おうととっさに手を伸ばす大年寺。しかしあろうことか、助けようとした女性に腕を引っ張られ、自分だけ線路に落下! そのまま電車にひかれ、瀕死の重傷を負ってしまうのだ。

 この事故、いや事件は、大年寺が3回戦で戦う「笹寿司」の計画だった。将太の宿敵でもある笹寿司は、執拗な嫌がらせや妨害を何度もくり返してきた憎き相手だ。それにしても駅のホームに落とすとは、妨害を通り越してただの犯罪だろう。

 気になる3回戦の結末だが、常人離れした体力でケガを克服した大年寺が「笹寿司」の職人に完勝。実行犯の女性が大年寺を見つめながら「不思議な男だね…」と呟いて幕を閉じる。読者からすれば、殺人未遂をしてまで料理対決に勝とうとする精神もかなり不思議なのだが……。

■パンを作ることすら許されない…『焼きたて!!ジャぱん』

 次は、橋口たかし氏の『焼きたて!!ジャぱん』から。本作は、日本を代表するパン「ジャぱん」を創ろうと奮闘するパン職人・東和馬の奮闘を描いた作品だ。『週刊少年サンデー』(小学館)で2002年から連載され、アニメ化もされた人気料理漫画である。

 パン職人が火花を散らす「パン作り対決」が展開の基本となる本作。ある対決ではその「パン作り」すらさせない極悪な妨害が発生した。

 和馬の同期にして相棒の河内恭介は、所属するパンタジアで催される新人戦の準決勝に挑む。天才パン職人・冠茂を対決相手に迎え、闘志を燃やす河内だったが、対決開始からしばらくして異変に気づく。どんなに小麦粉をこねても膨らまず、パン生地にならないのだ。

 原因は、和馬たちを敵視するパンタジア新宿中央支店店長・梓川雪乃による妨害工作。河内の小麦粉にタンパク質を分解する酵素・エンドプロテアーゼを混入させ、パン生地が作れないようにしたのだ。

 河内は諦めず小麦粉をこね続けるも、最後は力尽きて気絶。パンを作ることすら許されずに敗退……と、パン職人としてこれ以上ない屈辱を受けるのであった。

 しかし、この妨害が和馬に火をつけた。相棒・河内の敗退に奮起した和馬は準決勝、決勝を最高の「ジャぱん」で制し、新人戦を優勝する。敵の邪悪な目論見を「おいしいパンを作る」という正攻法で打ち破る展開は、実にスカッとするものだった。

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