アニメ版声優起用で違和感なし? ルフィ役・イニャキ・ゴドイに尾田栄一郎も太鼓判? Netflix実写版『ONE PIECE』予告編から分かることの画像
Netflixシリーズ『ONE PIECE』(C)尾田栄一郎/集英社

 8月31日から実写版『ONE PIECE』がNetflixで世界独占配信となる。原作は現在テレビアニメも放送中の尾田栄一郎氏による漫画『ONE PIECE』。人気漫画の実写化は、キャラの再現度やストーリーの改変など、ファンの間で賛否両論が起きやすいものだが、今回の実写版『ONE PIECE』は果たしてどのような作品に仕上がっているのか。

 8月26日にアップされたNetflixJAPANのYouTubeチャンネルの動画では、主人公モンキー・D・ルフィ役のイニャキ・ゴドイが尾田氏のアトリエを訪れており、尾田氏が「直感的にルフィだと思った。君以外に想像ができない」「僕はもう、君がルフィみたいに生まれてきてくれたのが一番ありがたい」と実写版主人公に太鼓判を押している。

 世界中のファンが期待を膨らませている本作。ティーザーPVと予告編PVから、見どころを探っていきたい。

■最新VFXで表現される悪魔の実の能力

『ONE PIECE』といえば、ルフィが食べた「ゴムゴムの実」を代表する「悪魔の実」の能力者による奇想天外なバトルが見もの。体がゴムのように伸び縮みしたり動物に変身したりと、現実ではあり得ない表現ばかりだが、それをどのように映像化されるのかは大きな注目ポイントだ。

 PVで確認できたのは、ルフィとバラバラの実を食べたバギー。ルフィは、「ゴムゴムの銃(ピストル)」と「ゴムゴムの銃乱打(ガトリング)」と思わしき技を使用している。また顔をゴムのように引っ張るシーンでは、アニメのような漫画のような「ルフィらしい」質感だった。

 バギーはバラバラ砲を披露。原作どおり、体を宙に浮かせたままバラバラになった部位で攻撃を仕掛けている。こちらも現実ではあり得ない光景だが、しっかりと実写として落とし込まれている。

 尾田氏は今回の実写化については、制作発表段階からかなり高い評価を寄せており、前述の動画でもCGについてコメント。「『ONE PIECE』を始めた26年前は、こんな漫画が映像化できる時代ではなかったんですよね。だけど、あるときからCGだのVFXだのの技術が上がって、なんでも映像化できるようになってきたの。これなら本当に信頼できるスタッフさえ見つかればなんとか映像化できると思って踏み切ったんです」と思いを語っている。

 その言葉通り、予告編を見るだけでも本作のCGやVFX技術の水準は高く、シャンクスの腕を食いちぎった「近海の主」ですら威圧感を感じる。今回は序盤の物語が描かれるようだが、本作のヒットを受けて続編が作られた場合はトンデモナイ能力の持ち主たちが多数登場する。エネルやドフラミンゴの能力がどのように実写で描かれるのか、『ONE PIECE』読者の多くが夢膨らませてしまう映像のクオリティではないだろうか。

■本気のキャスト陣!再現度の高さにビックリ

 日本の漫画を海外キャスト(ゾロ役は新田真剣佑)が演じるが、予告編を見る限りでも、原作を意識した丁寧な役作りがキャスト陣から見て取れる。もちろん漫画的な表現やデザインは控えめになっている点はあるが、原作と違和感のない印象を受ける。

 他にはバギーにアルビダにアーロンといった敵キャラたちがPVに登場しており、どちらも再現度が高い。特に、バギーは映画『バットマン』シリーズのジョーカーを彷彿させる恐怖すら感じられた。原作のコミカルなバギーとは違う、実写ならではの演技が楽しめそうだ。

 また吹替え版の声優を、テレビアニメの声優が務めるというのは朗報ではないだろうか。ルフィ役に田中真弓さんをはじめ、ゾロ役に中井和哉さん、ナミ役に岡村明美さん、ウソップ役に山口勝平さん、サンジ役に平田広明さんと、予告動画ではいつもの声がお披露目されている。

 またその他に吹き替え版では、シャンクス役に池田秀一さん、ゴールド・ロジャー役に津嘉山正種さん、ガープ役に中博史さん、コビー役に土井美加さん、バギー役に千葉繁さん、モーガン役に銀河万丈さん、ヘルメッポ役に永野広一さん、アルビダ役に松岡洋子さん、ミホーク役に掛川裕彦さんなど、アニメでかつてキャラを演じた錚々たるメンバーが再集結する。

■世界観はどう?建築物のディティールがすごい

 キャストや映像技術がすごくても『ONE PIECE』の世界観が再現されていなければ興ざめ。ということで、世界観を構成する建築物に注目したい。

 海での冒険を描く『ONE PIECE』では「船」の存在感は重要な点だろう。PVではルフィが乗船するゴーイング・メリー号やアルビダの船、海上レストランバラティエが登場しており、ディティールは異なるもののかなり原作に近い。たとえば、ゴーイング・メリー号の船首は丸っこい羊をモチーフとしているが、実写版では少しリアルになっている。

 ほかにも海軍大佐モーガンの海軍基地やアーロンパークが登場。アーロンパークは最終的にルフィによって大打撃を受けるのだが、こちらも楽しみにしたい。

 連載中の漫画ではベガパンクの謎に迫り、テレビアニメではカイドウとの戦いがいよいよ終盤。そして、実写版であらためて物語の始まりが描かれることになる。連載開始から26年、さらなる勢いを見せる『ONE PIECE』から、今後も目が離せない。

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