７月には東京八王子で最高気温３９.１度を記録し、８月に入ってからも３０度超えをくり返す今夏、あなたはいかがお過ごしだろうか。気象庁は「９月、１０月も広い範囲で例年並みかそれ以上の暑さになる」と予報を出しており、２０２３年の夏はまだまだ続くらしい。
暑すぎる毎日のなか、“この現実離れした暑さを漫画のキャラたちならどう解決してくれるのだろうか？”と、ふと気になった。彼らが近くにいれば、快適な夏を過ごせるのかもしれない。そこで、過酷な夏もなんとかしてくれそうな漫画キャラを独断で選んでみた。
■飼い主に忠実な氷属性バード『ジョジョの奇妙な冒険』ペット・ショップ
まず思いつくのが、冷気や氷を使って戦う「氷属性キャラ」だろう。当然だが、彼らの能力を使えば真夏も涼しく乗り越えられる。氷属性キャラといえば、『ＢＬＥＡＣＨ』（集英社）の日番谷冬獅郎、『ＯＮＥ ＰＩＥＣＥ』（集英社）の“青雉”ことクザンなど候補はとても多いが、筆者が推したいのは『ジョジョの奇妙な冒険』（集英社）に登場するペット・ショップだ。
ペット・ショップは第３部に登場するハヤブサであり、ＤＩＯの館を護衛する門番だ。彼が使うスタンド「ホルス神」は冷気を自由自在に操る能力があり、巨大な氷塊や氷のミサイルを生成するシーンが多い。ペット・ショップにかかれば、涼むための氷をいくらでも作ってくれるはずだ。
作中ではターゲットの周囲を氷塊で覆う芸当も見せている。氷を砕けばかき氷や冷たい飲み物にも利用でき、まさに一石二鳥だろう。
ただし、ペット・ショップの本性には気をつけたい。原作でＤＩＯの館を見つけたイギーを執拗に追跡して左前足を奪い、さらに追撃した残忍なハンターである。飼い主には非常に忠実なので、しっかり飼いならしてからお願いしたいところだ。
■巨大な飛行船を動かした電力でエアコンを…『ＯＮＥ ＰＩＥＣＥ』エネル
エアコンは暑い夏に欠かせない家電だが、使いすぎると電気代が高くつくのがネックだ。そこで、エアコンをタダで動かせる「機械を動かせる電気使いキャラ」という視点で考えた結果、白羽の矢が立ったのが『ＯＮＥ ＰＩＥＣＥ』（集英社）の神・エネルである。
自身を雷と化す自然系悪魔の実「ゴロゴロの実」を食べたエネルは、本作でも指折りの強者だろう。最大２億Ｖの電気攻撃や高速移動など、強すぎる能力を数えればキリがないが、今回注目したいのは方舟「マクシム」を動かした脅威の電力だ。当時乗っていたルフィたちのゴーイングメリー号をはるかに凌ぐ巨大方舟を起動させ、月に到達するまで制御した圧倒的なエネルギー……これさえあれば、エアコンも使い放題に違いない。当然電気代もゼロで家計にも優しい。
ただし、問題もある。一般的な家電エアコンは１００Ｖ〜２００Ｖ程度の電圧で動くのだが、エネルが作中で見せた最低電圧は１００万Ｖ。力が強すぎてエアコンは故障してしまうのだろうか。さらに、エネルは空島の人々を虐げた残忍な神でもある。「エアコンを動かしてほしい」という民の祈りを、神は叶えてくれるだろうか……？
■熱中症にも気をつけるなら…『Ｋ２』神代一人
夏場で怖い病気といえば熱中症だ。立ちくらみや頭痛を引き起こし、最悪の場合死に至るとされる熱中症を防ぐには、正しい知識に基づいた対策が大切になってくる。その「正しい知識」を持つ漫画キャラとして、『Ｋ２』（講談社）の主人公・神代一人を紹介したい。
本作は２００４年に『イブニング』で連載が開始され、現在は『コミックＤＡＹＳ』で連載中の本格医療漫画だ。とある村で凄腕の無免許医「Ｋ」として生きていた一人が表舞台に進出し、多くの患者を救う奮闘が描かれる。
第２４１話には、熱中症に倒れた老人を一人が治療するシーンがある。さらに一人は「水分はこまめにとらなければ効果は薄い」「発汗によるミネラル不足は水だけでは補えない」など、適切な熱中症対策を患者にアドバイスしていた。
ただ治すだけでなく、熱中症予防を丁寧に助言してくれるドクターは、暑い夏にぜひいてほしいキャラではないだろうか。難病を手術でカッコよく治療するエピソードが目立つ『Ｋ２』だが、こういった身近な病も取りあげるのが本作の魅力だと個人的に思う。
以上、暑い夏にそばにいてほしい漫画キャラを考えてみた。もちろん現実に彼らが現れてくれることはないが「こうだったらいいのに」と楽しく想像している間は、少しだけ暑さも忘れられる。
あなたも酷暑に限界を感じたら「このキャラが現実にいてくれたらどうだろう？」と夢を描いてみてはいかがだろうか。
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