全国的に記録的な猛暑日が続く中、グラスいっぱいに放り込んだ氷や、かき氷で少しでも涼しさを味わうという人も多いだろう。
漫画の能力に使用される属性で多いものは、火や水、土、氷や雷といったものだろう。身近に感じることのできる自然のモノだからこそ、それを技や武器に利用することでカッコいい演出に繋がる。そして、それを扱うキャラもそんな属性に応じたような性格を持っているのかも知れない。
そこで今回は、氷属性に焦点を当ててみたい。氷属性だからこそ、クールで冷静な性格になってしまうのだろうか?気になるところだ。バトル漫画に登場する氷属性キャラをいくつか紹介していこうと思う。
■乱菊の誘惑も軽くあしらう日番谷冬獅郎
まずは、現在テレビアニメ第2クール『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』が放送中の、久保帯人氏による漫画『BLEACH』(集英社)から護廷十三隊十番隊隊長・日番谷冬獅郎。同作に登場する「斬魄刀」にはいろいろな属性の能力が秘められているが、冬獅郎の「氷輪丸」は氷雪系の中でも最強だろう。相手を一瞬で凍らせることはもちろん、大気にまで影響を与え広範囲に氷の世界を作ることができる。
もともと『BLEACH』では冷静で顔色をほとんど変えないキャラが珍しくない。藍染惣右介を始めとして、朽木白哉や月島秀九郎など同系統のキャラが多く登場しているのだ。そこから見ると、氷属性だからクールとは言い切れないかも知れないが、冬獅郎もまた感情の起伏をほとんど出さないキャラ。副隊長・松本乱菊が豊満な身体で迫ろうとも全く動じず、軽くあしらってしまうほど。その実力、性格とともに、やはり氷属性にふさわしい人物なのかもしれない。
■師匠譲りのクールなキグナス氷河
車田正美氏による『聖闘士星矢』(集英社)の白鳥星座の氷河は、バトル漫画でも氷属性の先駆けのようなキャラクターだ。彼は師匠である水瓶座のカミュのもとで(アニメでは水晶聖闘士が師匠)、氷の闘技を身につけた青銅聖闘士。小宇宙を凍気にして放つ必殺技「ダイヤモンドダスト」が代名詞だが、両腕を白鳥のように羽ばたかせた後に拳を突き出す技の発生ポーズがかなり斬新。小学生当時にこの技を真似したという人も多いかと思う。
そんな氷河はというと、やはり氷属性に相応しいクールな性格である。どんな危機に直面しても動揺を見せずひとつひとつ対処していく様は、星矢たちにとっても頼りになった。そして、氷河の師匠もまた凄い。同じ氷属性であるカミュは、氷河の上をいくクールさを持ち、弟子の氷河を躊躇うことなく凍結させていた。氷河の性格は師匠譲りかもしれないが、師弟関係で性格まで似てしまうのは珍しいパターンだ。
■冷酷な視線が恐ろしいペット・ショップ
荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)のスタンド能力にも属性に関係するものがある。氷属性のスタンドといえば、第3部に登場したペット・ショップの「ホルス神」を思い出す人も多いかと思う。
巨大な氷柱で攻撃をしたり、周囲を氷結させる能力をもつペット・ショップは、まず人間ではなくハヤブサ。ディオを守る番犬ならぬ番鳥というところだろう。そして高度な頭脳を持ち、淡々と邪魔者を排除する冷徹な眼差しから、ゾッとするようなクールさが感じられる。一匹で戦うことになったイギーは、同じく動物のスタンド使いでかなりきまぐれ。だがピンチのときには熱く燃える主人公タイプの性格をしており、彼の意外な一面を引き出した戦いでもあった。
同じように氷属性のスタンド使いとしては第5部にも「ホワイト・アルバム」を使用するギアッチョが登場するが、こちらはクールと呼ぶには相応しくない。登場早々に「根掘り葉掘り」の言葉についてブチギレていたので、ペット・ショップのような冷静さが欲しいところだ。
以上3作からキャラクターを振り返ったが、『ONE PIECE』の青雉をはじめ、『幽☆遊☆白書』の凍矢、『NINKU-忍空-』の黄純、『地獄先生ぬ~べ~』のゆきめ、『ぬらりひょんの孫』の氷麗、『鬼滅の刃』の童磨などジャンプ漫画だけでも氷属性は珍しくない。そしていずれのキャラもまた、かなりの確率で氷のようなクールな性格をしている人物ばかりだ。