『めぞん一刻』三鷹瞬に『タッチ』新田明男も…本命カップルのいいスパイスになった“男性ライバルキャラ”たちの画像
ビッグコミックス『めぞん一刻』新装版第4巻(小学館)

 某恋愛リアリティショーのように、恋愛は恋敵がいるからこそ盛り上がるもの。それは、漫画やアニメにおいても同じだ。主人公の前には、イケメンで金持ち、スポーツ万能、性格も良く、なかには「主人公よりも全然いいやつなんじゃない?」なんて思えるような強力な恋のライバルも登場し、読者から結構愛されていたりもする。

 そこで今回は、主人公とヒロインの恋愛に立ちはだかった男性ライバルキャラを紹介していく。本命カップルのいいスパイスっぷりを見ていこう。

■『めぞん一刻』三鷹瞬

 まずはじめに紹介するのは、高橋留美子氏の『めぞん一刻』に登場する三鷹瞬だ。ヒロイン・音無響子が通っているテニススクールのコーチで、主人公・五代裕作の恋敵である。

 五代は押しが弱く優柔不断、浪人を経て三流大学へ進学、その後はアルバイト生活……など、お世辞にも女性にモテるタイプではない。それに比べて三鷹はイケメンで金持ち、高学歴で性格は明るく社交的。女性にもモテるという対照的なキャラだった。

 三鷹はアニメ版では第9話「謎のコーチは恋のライバルです!」という非常にわかりやすいタイトルの回から登場。(漫画版では第1巻「金網は越えられない!!」から)

 それ以降、響子に対しても積極的にアプローチしていく。嫉妬や誤解を利用するなど恋愛においてはなかなかの策士だったが、途中からは潔く身を引き、最終的には五代と響子の恋を応援している。

 作中、大の犬嫌いなのに犬にめちゃくちゃ懐かれたり、恋敵であった五代が風邪で寝込んでいるときはお粥を作ったりと、どこかお茶目で育ちの良さが目立つキャラでもあった。

■『YAWARA!』風祭進之介

 次に紹介するのは、浦沢直樹氏の『YAWARA!』に登場した風祭進之介。ヒロイン・猪熊柔をめぐって松田耕作と争う。

 風祭は高身長、高学歴、高収入の二枚目キャラ。さらに風祭酒造の御曹司で、柔道の実力もトップクラスである。

 柔も彼に一目惚れし、物語中盤まで片思いを続ける。……と、ここまで聞くと、女子柔道選手である柔にとって申しぶんのない交際相手のように思えるが、風祭は地位と名誉と金に弱く、女性にもチャラいクズ男という裏の顔があった。おそらく、読者のほとんどが「風祭だけはやめとけ」と思っていただろう。

 一方、スポーツ新聞の記者である松田耕作は、洒落っ気もなくぶっきらぼうだが、熱く一本筋が通った男。柔の祖父の滋悟郎や、母親の玉緒も松田を気に入っていたし、柔と距離を置いていた父親の虎滋郎さえ彼を信頼していた。

 また、柔のライバルで親友のジョディ・ロックウェルや柔が所属していた三葉女子短大柔道部の面々からも好かれていて、実は、松田は柔だけが気づいていない作中屈指のモテキャラでもあったのだ。

 この2人の男性のあいだで揺れていた柔も、コミック第8巻のソウル大会合宿時のデートダブルブッキング事件以後は完全に松田のほうを向いてしまい、風祭はほとんど相手にされなくなる。

 ちなみに、アニメでは風祭のキャラクターボイスを、先に紹介した『めぞん一刻』三鷹瞬と同じ神谷明さんがを担当している。神谷明さんは二枚目キャラが本当によく似合うと思う。

  1. 1
  2. 2