■これが伏線なら恐ろしい…「Dの一族」エース

 そして血の繋がりはなくとも、同じ「Dの一族」でありルフィの兄貴分であるエースを最後に紹介しよう。こちらは、アラバスタ編にて初登場した時のシーンが印象的だ。

 アラバスタの港町・ナノハナの飲食店で料理に顔をうずめる男……。周囲の客によると毒グモを食べたことによる毒死だと推測されており、店主との会話中に突然死んでしまったという。ざわつき、毒の強力さに恐れおののく客たちだったが、そのとき「ぷほ!!?」と突然起き上がり周囲を驚かせたのがエースだ。

 自身の心配をしているとは知らず店主と会話をするエースだが、次の瞬間「どさっ」と料理に顔をうずめ、再び安らかな眠りにつくのである。

「Dの一族」に共通して見られる独特な睡眠の描写。果たしてこの描写も作者の尾田栄一郎氏が仕掛けた何かしらの伏線なのかと、疑ってしまいたくもなるところだ。

 

 眠気に勝てずに衝撃の行動をとったキャラクターを紹介したが、こうしたキャラクターはほかの作品でも数多く存在する。

 どのキャラクターに共通して言える特徴は「強い」ということである。自分の実力に余裕がある、もしくは相当の努力をしているための眠気であることが多く見受けられるのだ。だからこそこうした睡眠に特徴のあるキャラクターは、より魅力的に見えてしまうのかもしれない。

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