2023年7月14日、10年ぶりの新作映画『君たちはどう生きるか』が公開され話題となっている『スタジオジブリ』。宣伝をせずに公開された本作だが、豪華なキャスト陣の姿が明らかとなり、連日ニュースを賑わせている。
さて、そんなジブリ作品だが、過去作でジャニーズタレントも多く起用されていることをご存じだろうか。今回は、ジブリ作品で声優としても活躍したジャニーズタレントたちについて見ていこう。
■アニメでも間違いなしのイケメンっぷり…『ハウルの動く城』木村拓哉
2004年に公開された『ハウルの動く城』は、ファンタジー小説である『魔法使いハウルと火の悪魔』を原作としており、主人公かつヒロインでもあるソフィーが老婆であるという奇妙な設定が話題を呼んだ。
タイトルの一部にもなっており、本作のキーキャラクターとなる美青年の魔法使い・ハウルは、“魔王”になる可能性をも秘めている屈指の実力者。その美貌は街の女性たちにも好評で、物語冒頭から噂の的となっている。大胆不敵な性格をしている一方で、実は些細なミスに落ち込んで寝込んだり、外敵を恐れ逃げ回ったりと、どこか憎めない一面を持つ魅力的なキャラクターだ。
そんなハウルの声優として起用されたのが、元SMAPのメンバーであり、国民的知名度を誇るジャニーズタレントの木村拓哉さんだ。
作中屈指のイケメン・ハウルと、アイドルや俳優として活躍を続ける木村さんの親和性は非常に高いように思えるが……、実はこのキャスティングは木村さんサイドから“なんらかの形でジブリをやってみたい”とオファーがあったことが、製作に携わる鈴木敏夫さんによってのちに明かされている。
また、木村さんはハウルのセリフをすべて頭に入れたうえで収録に臨むといった離れ業を見せ、当時のスタッフを驚かせたという。
本作を皮切りに、その後も実写作品のみでなく『ジャッジアイズ』などゲームのキャラクターを演じたりと幅広い活躍を見せ続けている木村さん。そのプロフェッショナルな姿には、思わず唸らされてしまう。
■アクションだけじゃなく声優までこなす…『ゲド戦記』岡田准一
2006年に公開された『ゲド戦記』は、アーシュラ・K・ル=グウィンさん原作の小説第3巻のエピソードと、宮崎駿さんが手掛ける絵物語『シュナの旅』を原案としたファンタジー作品だ。
世界のバランスが崩壊し荒廃した世界を舞台に、父王を殺してしまった青年・アレンと、顔にあざを持つ謎の少女・テルーが出会うことで、物語が動き出していく。
監督・脚本を宮崎駿さんの息子である宮崎吾朗さんが手掛けたことでも話題を呼んだ一作だが、本作の主人公・アレンの声優を担当するジャニーズタレントこそ、元V6のメンバーでもある岡田准一さんだ。
岡田さんといえば何事に関しても真面目かつストイックなことで有名な人物で、アクション俳優としてスタントに挑戦したり、実際にいくつもの格闘技を身に着けているといった肉体派なエピソードには事欠かない。
スタジオジブリがジャニーズタレントを声優として起用するのは『ハウルの動く城』に続いて本作が2作目となっており、岡田さんはアニメ声優のデビュー作でありながら、いきなり映画作品の主人公として大役を任せられることとなった。
アレンの持つ少年としての幼さ、ところどころで見え隠れするナーバスさを、岡田さんはその落ち着いた声質で演じ、高評価を得ていた。
そして、この後も岡田さんは、ほかのジブリ作品『コクリコ坂から』にも出演するなど、ジブリと密接な繋がりを持つ声優としても活躍していくこととなる。苛烈なアクションシーンはもちろん、果ては声優までこなしてしまう彼の多才ぶりが発揮されている一作といえるだろう。