■宿敵との決着!シャア本当の目的は何だったのか
シャアは紆余曲折を経て、新生ネオ・ジオン総帥となり『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にて宿敵アムロとの決着をつける。
アムロが駆るνガンダムとシャアが乗るサザビーの決着はつくものの、小惑星アクシズは地球落下のコースをとる。当然ながらアクシズが地球に落下すれば地球に人類は住めなくなるし、それこそがシャアの目的だった。
なんとか落下を防ごうとするアムロは、νガンダムでアクシズを押し返すというとんでもない行動に出る。その行動に感化され、連邦軍とネオ・ジオン軍は陣営の垣根を超えてそれぞれの搭乗モビルスーツでアクシズを押し返すが、スペックが足りない機体は摩擦熱とオーバーロードで次々と爆散していく。
その光景を見たシャアは「結局、遅かれ早かれこんな悲しみだけが広がって地球を押し潰すのだ。ならば人類は自らの手で自分を裁いて、自然に対し、地球に対して贖罪しなければならん。アムロ、なんでこれが分からん……!」と言い、涙を流す。
この涙も解釈が分かれるところ。個人的には、やはりララァの存在が大きいと考える。戦いの前後でもララァに関する発言をしているため、シャアがララァにこだわっているのは明白。そのため、なんだかんだ理由をつけているが「ララァを殺したアムロと決着をつけたいだけ」なのではないだろうか。だとすると、一見、子どものようにも見える行動や考え方は『Z』時代から変わっておらず、それこそがシャアの本質なのかもしれない。
シャアは優れたモビルスーツパイロットだが、涙を流す「弱い」一面を見せることも多いキャラクターでもある。しかし、そのバックボーンにあるのは幼い頃に家族をなくし、戦争という状況に長く身を置いたことが原因と考えられる。
軍人として成長はしても、物事を簡単に割り切れない子どもの心を持ったままのシャアは、ただ純粋なだけなのだろう。