■芸能界を舞台にした青春ストーリー!『ハンサムな彼女』:吉住渉

『ママレード・ボーイ』で有名な吉住渉氏の名作と言えば、1988年11月号から1992年1月号まで連載された『ハンサムな彼女』も外せないだろう。

 華やかな芸能界を舞台に、女優として駆け出しのヒロイン・萩原未央と、偉大な父の背中を追い映画監督を目指す熊谷一哉の恋愛が描かれた本作。

 運命的な出会いを果たしながら、“嫌なやつ”という印象から始まる2人の青春ストーリーは、多くの“りぼんっ子”を夢中にさせた。そんな本作もまた、全9巻と巻数が少ない。

 非日常的な世界に身を置く登場人物たちが、恋愛や友情、将来の夢へ向かってがむしゃらに進んでいく姿は、10代特有のキラキラとした眩しさに包まれて、今でもファンの心を掴んで離さない作品だ。

■黄金期後半の看板作品!『ベイビィ★LOVE』:椎名あゆみ

 最後に紹介するのは、1995年9月号から1999年5月号にかけて連載された『ベイビィ★LOVE』だ。本作は椎名あゆみ氏の代表作で、憧れの男性のために自分を磨く健気なヒロインを中心に繰り広げられるラブ・コメディーとなっている。

 主人公・有須川せあらは、小学生でありながら見た目が高校生に見えるほど大人びているというキャラクター。それも、想い人・瀬戸柊平の好みの女性になるために努力した結果だった。

 せあらがまっすぐに柊平を想う素直さや、健気さ、ふいに見せる大胆さに憧れた読者も多く、「今でも大好きなヒロイン」と彼女を評価する声もあがるほどだ。

 1994年ごろを指す“黄金期”から考えると、やや後半に連載が開始された印象だが、間違いなく当時の『りぼん』の主力の看板作品だった本作。こちらもまた、全9巻という意外にも少ない巻数で完結をむかえた。

 

 巻数が少ないながらも、いまだにファンの心に残っている“黄金期”の『りぼん』を支えた名作たち。タイトルを目にしただけでも、ワクワクしながら読んでいた当時の思い出が蘇ってくるようだ。大人になって読んでも楽しめるこれらの作品を、筆者もこの機会にもう一度読み返して、名作たちの世界にどっぷり浸かりたいと思う。

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