1993年末に255万部という伝説的な発行部数を記録した『りぼん』(集英社)。そのころの『りぼん』は“黄金期”と呼ばれ、当時連載されていた作品は今も少女漫画界の名作として語り継がれている。
さて、コミックスの巻数が多い作品も増え、長期連載作品をよく見かけるようになった現在。ところが、黄金期の『りぼん』作品たちは意外にも10巻未満で完結している作品も多い。そこで今回は、長期連載作品にも負けない満足感を味わわせてくれる珠玉の名作たちを『りぼん』“黄金期”の作品から厳選してご紹介しよう。
■語り継がれるラブ・ストーリー!『天使なんかじゃない』:矢沢あい
『りぼん』を牽引してきた漫画家の1人である矢沢あい氏。オシャレな登場人物と、少し大人な恋愛を楽しめる矢沢氏の作品は、大人女子からも絶大な人気を誇っている。
そんな彼女の作品のなかでも、名作と名高いのが『天使なんかじゃない』だ。天真爛漫な主人公・冴島翠と、少し“ワル”な男の子・須藤晃とのドキドキするようなラブ・ストーリーが描かれた本作。
恋愛だけでなく、学校生活や友情も丁寧に描かれており、作中に登場する数々の名セリフは今もファンの間で語り継がれているほど。
1991年9月号の『りぼん』から連載が開始された本作は、1994年11月号まで約3年間連載された。そんな本作のコミックスは、意外にも全8巻。翠と晃のジェットコースターのような恋愛や、彼らを取り巻く濃い人間模様から、巻数を知って驚く人も多いのではないだろうか。
■アニメ化も果たした魔法少女もの!『姫ちゃんのリボン』:水沢めぐみ
1990年8月号から1994年1月号まで連載された水沢めぐみ氏の『姫ちゃんのリボン』は、他人に変身することができる“魔法のリボン”を手にした女の子・野々原姫子が、さまざまな姿に変身しながら恋に学校生活にと奮闘していくストーリーだ。
アニメ化だけでなく、ミュージカル化や小説化もされた本作。魔法少女ものとして人気を博したが、可愛く爽やかな登場人物たちの心情が丁寧に描かれていることもあり、恋愛や学園ものとしても十分に楽しめる一作だ。
コミックスは全10巻が発売されている。かつてリアルタイムで本作にハマっていた人もサクッと読み返すことができる巻数なので、ぜひ振り返ってほしい名作の1つだ。