■高貴な姫にして戦うヒロイン『百獣王ゴライオン』ファーラ姫

 南原ちずる・桜野マリと比較すると若干知名度が低いが、『百獣王ゴライオン』(1981~82年)の「ファーラ姫」も、人気ヒロインの1人だ。キャラクターデザイン的には、姫らしく結い上げてアップにした髪型もノーブルな雰囲気で前述の2人と比較するとやや近寄りがたい感はあるが、ファーラ姫の本領は、その生き様やエピソードであろう。

 ファーラ姫は、「ガルラ大帝国」によって滅ぼされた「アルテア王国」の王女であり、唯一の生き残りである。 そんな重い過去を持つだけに、ストーリーの序盤は守られる立場であった。しかし、「ゴライオン」のパイロットの1人「銀貴(しろがね たかし)」が戦死してからは、自らが合体メカの1体「青獅子」に乗り込み、ガルラ大帝国と戦った。

 最初は非戦闘ヒロインだったのが、ゴライオンパイロットの紅一点となって奮闘するという熱い展開。そして、当時はまだ珍しかった「戦う姫」といった要素は、かなり魅力的だったと言えるだろう。

 

 スーパーロボットアニメに登場したヒロイン3人に着目して、その魅力に迫ってみた。もちろん作品そのものはいずれも40年以上前のものなので、今観ると古さを感じる人が多いかもしれないが、ヒロインたちの魅力は、ルックスやその見せ方、キャラクターの内面など三者三様で、現代でも色あせないものがあることがわかる。こうしたキャラクター造形の妙が、現在、そして未来にも引き継がれ、新たに魅力的なキャラクターを生むことにつながっているとも考えられる。

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