昨今の漫画やアニメ、ゲームには、様々な美少女が登場する。大人の男性向けの作品はもちろんだが、今や女性や子ども向けの作品でも多種多様な可愛い美少女キャラクターがフィーチャーされるのは当たり前になっている。美少女キャラクターが多数登場する華やかなビジュアルで読者や視聴者、プレイヤーの目を引くことが常套手段となっているのだ。
しかし、こういった美少女キャラクターは、かつての昭和のロボットアニメでは、紅一点的に登場することが定番であった。そうした昭和世代に絶大な人気を誇るヒロインの中には、今でも通用する魅力を持ったキャラクターがいる。そこで今回は、スーパーロボットアニメに登場したヒロインの魅力に迫ってみたい。
■現代でも通用する洗練されたキャラデザ『コン・バトラーV』南原ちづる
スーパーロボットアニメの人気ヒロインといったら、避けては通れないのが『超電磁ロボ コン・バトラーV』(1976~77年)に登場する「南原ちずる」だ。
放送当時から絶大な人気を誇っていて、今もなお新作フィギュアが断続的に発売される南原ちずるだが、その魅力は何と言ってもキャラクターデザインの良さだろう。一目見て直感的に「可愛い」と思えるデザインである。
腰に掛かる長さのボリューム感のある長い緑のストレートヘアの、流れるようなシルエットが美しく、アクセントとしてピンと跳ねた前髪が活発さも感じさせる。
この特徴付けの手法は現代の美少女キャラクターの源流とも言えるものであり、当然ながら今の時代でも充分に通用するデザインであろう。
大胆なワンピースタイプのミニスカートで太ももを露出した服装とスタイルの良さも、当時のファンの目を釘付けにしたものだが、これもまた今見ても鮮烈な印象を残すことは間違いない。
■献身的に主人公を支える等身大の魅力『勇者ライディーン』桜野マリ
『勇者ライディーン』(1975~76年)に登場する、主人公の「ひびき洸」の同級生でガールフレンドでもある「桜野マリ」もまた、根強い人気のヒロインだ。
南原ちずると同じく、アニメーター・アニメ監督・漫画家として知られる安彦良和氏によるキャラクターデザインだが、こちらは茶色のロングヘア―が特徴的だ。全体的に地味めの印象ではあるが、その普通さこそが、むしろ「桜野マリ」の魅力ではないだろうか。
活動的な性格ではあるが優しさも兼ね備えており、そのルックスの良さもあって学園ではアイドル的な存在であるという設定だ。
物語後半ではコープランダー隊に入隊し、ライディーンのサポートマシン「ブルーガー」に乗ることになる。元々、主人公の洸のガールフレンドであるが、さらに献身的にサポートすることとなった。そういった健気さも、人気のポイントだろう。
また、作中ではかなり頻繁にマリのお色気シーンが挿入されていて、ロボットアニメのお色気要員としても草分け的な存在だと言えるだろう。