最近ヤンキー漫画が熱い。2023年6月30日から公開された映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』の影響もあり、男同士の熱い戦いに注目が集まっている。実際に人を殴るのはいけないが、漫画で悪人をボコボコにしてくれるシーンを読むと、スカッとするのも事実だ。
しかし、有名なヤンキー漫画には「そこまでするのか……!?」と思わず目をそむけたくなるようなシーンもある。ここでは、有名ヤンキー漫画における衝撃悪辣シーンを3選お届けしよう。
■約束の3分を超えても容赦なし…『ろくでなしBLUES』の衝撃シーン
森田まさのりさんの『ろくでなしBLUES』は、1988年から『週刊少年ジャンプ』にて掲載されたヤンキー漫画である。劇画チックかつ緻密な画で描かれた本作は、普通に殴るシーンだけ見てもかなり痛々しい。
そんな『ろくでなしBLUES』の中には、目をそむけたくなるような喧嘩シーンが多々ある。なかでも26巻に掲載された、「東京四天王」と呼ばれる池袋の葛西と浅草の薬師寺とのタイマンシーンは壮絶だ。
葛西は喧嘩を“3分で終わらせる”と宣言し、薬師寺の髪の毛をつかみパンチを加える。その後レスリングのように薬師寺を持ち上げ、自分の膝に落としてダメージを与えた。痛みにもだえる薬師寺の体を足で転がし、3分が経過しても容赦しない。最後は容赦なくあばらを踏みつけて数本折るのであった。
ここまで読むとただの凄惨なシーンだが、本作は喧嘩を通して仲間の存在意義や信頼とは何かを教えてくれる漫画だ。狂犬のように暴力をふるった葛西も、その強さから仲間から恐れられ「自分にとって本当に大切なものは何か」を考えるようになっていく。
■それって一歩間違えたら… 恐怖の攻撃シーン『今日から俺は!!』
西森博之さんによる『今日から俺は!!』は、1988年から『増刊少年サンデー』、後に『週刊少年サンデー』で連載された漫画である。それまでのヤンキー漫画の主流とは違い、ギャグと恋愛をコミカルに織り交ぜた作品だ。そのため暴力系が苦手な人にも読みやすく、目をそむけたくなるような痛々しいシーンは少ない。しかし読んでいて「危ない」と思うシーンが35巻にあった。
主人公の三橋と伊藤を一方的に恨む多河は、ずるがしこさが売りのヤンキー。剛田という作中最強クラスの元極道に襲われたときに、彼は土下座をしていい人を演じ、難を逃れた。しかしその後剛田を駅のホームに呼び出し、変装した姿で登場。電車がきたタイミングで剛田をホームから突き落とすというとんでもない行動に出る。結果的に剛田は電車に轢かれかけ、思わず小便を漏らしてしまう。もちろんホームから突き落とすのは、下手したら殺人にもなりかねない危険すぎる行為だ。
本作の魅力といえば、喧嘩そのものはもちろん、その背景もしっかり描かれているところだ。単に強い男同士が力比べのために戦うのではなく、なぜ喧嘩になったのかもユーモアを交えて描いており、独特の世界観がある。
突き落とし男の多河はその後もトラブルを起こすのだが、最終的には自分の行いを反省していた。しかし好青年になって終わりではなく、最後に三橋と伊藤にボコボコにされるなど、ユニークなオチもしっかりついている。