■プレステ本体を裏返したり横に立ててみたり…
こうした起動時のトラブルはファミコンだけでなく、“次世代ゲーム”と呼ばれたプレイステーション時代にもあった。
メディアがROMカートリッジからディスクへ変わったPS時代では、プレイ中にソフトが読み込み不良を起こすことが多々あった。そんなときに行っていたのが、本体を縦に少し傾けたり、起動したまま裏返すといった解決方法。
これは本体を傾けたり裏返したりすることで、本体のレンズの感度が上がり、読み込みやすくなったという事例がいつの間にか広がってきたもので、公式からは当然保証されていない裏技。だが本体を刺激しないようソロリソロリと裏返すと、それまでうんともすんとも言わなかった読み込みが再び行われ、無事にゲームを進められるということが実際にあった。
PSでは『ファイナルファンタジー』シリーズなど、複数ディスクのタイトルが多かった。このディスクの入れ替えのタイミングで読み込み不良が発生するケースが多々あり、積んでしまった結果、こうした解決方法に希望を託したという人も多いはず。
PSのソフト読み込み不良はソフトのディスクの傷や痛み、または本体のピックアップレンズの劣化が原因というケースが多い。そのため、ディスクを研磨して傷を修復したり、本体をレンズクリーナーでクリーニングするという改善策を取ることができるが、当時はそういった対応策が一般に広く浸透しているとは言えず、多くのプレイヤーたちが試行錯誤した結果、本体を裏返すといった裏技が生まれたというわけだ。
しかしこれらの裏技もまた、PS本体の内部機器に異常をきたす可能性があるため、試してみるのは控え、レンズクリーニングなどで解決を試みていただきたい。
以上、ファミコンやPSの読み込みトラブル時に思わずやってしまったアナログ的解決方法を紹介してきた。当時は当たり前のようにやった記憶があるが、今考えてみるとちょっとおかしいな、と思う部分もある。そんな当時を思い返しながら、久しぶりにレトロゲームをプレイしてみるのはいかがだろうか。