■『おそ松さん』犬山キン子

 最後は、アニメ『おそ松さん』に登場した犬山キン子というお隣さんを紹介する。赤塚不二夫さんによる原作『おそ松くん』でも同姓同名のキャラクターは登場するのだが、少し設定が異なる。今回は『おそ松さん』の方の犬山キン子を紹介したい。

 キン子はアニメ2期16話「となりのかわい子ちゃん」という回で、松野家の隣に引っ越してくる。Tシャツにホットパンツ、小麦色に日焼けした健康的な美少女で、性格もサバサバしていて明るくて素直。少し抜けたところがあるのか、洗濯物の下着をたびたび隣の松野家に飛ばしている。6つ子たちとは、その下着がきっかけで仲良くなった。

 キン子はお隣さんとして、ほぼ完璧と言ってもいいほど理想的だ。普段はトト子ちゃん一筋の6つ子たちであるが、この回ばかりはキン子に夢中になり、トト子ちゃんとの約束をドタキャンしている。

 それが原因でトト子ちゃんとの仲が険悪になるが、このときもキン子が先に謝罪。実際は、ドタキャンした6つ子が悪いのであって彼女に非はないのだが、それでも自ら頭を下げられるなんて、人としてもかなりできている。最終的にはきちんと和解し、トト子ちゃんからもらった自分よりでっかいマグロを担いで、沖縄に帰っていく姿もかわいかった。

 放送終了時、一部の視聴者の間では「キン子は6つ子が作り出した妄想」という説も浮上していた。それほどキン子は、お隣さんとしてあまりにも完璧な女の子だったのだ。

 

 今回は、漫画やアニメに登場する“お隣さんキャラ”を紹介した。どのキャラもかわいすぎたり、迷惑すぎたりと、いい意味でも悪い意味でも個性あふれるお隣さんたち。

 そして、どの主人公も彼らお隣さんに振り回されつつも、いい関係を築いているのは共通している。なんだかんだで楽しい日々を過ごしているようで、実にうらやましくなってしまった。

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