『ゴーストバスターズ』に『たけしの挑戦状』も…“魔の1986年”に発売された賛否両論のファミコンソフト3選の画像
ファミコンソフト『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』
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 1986年は、国民的人気RPGファミコンソフト『ドラゴンクエスト』初代作品が発売され、ゲーム業界は大きな盛り上がりを見せていた。一方、名作の誕生の裏に数々の“迷作”たちも世に放たれていたことをご存じだろうか。そこで、“魔の1986年”なんて言われることもあるこの年に発売された、賛否両論の作品たちについて見ていこう。

■“オープンワールド”はまだ早かった…? 『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』

 昨今では現実世界同様に再現された広大なフィールドを自由に歩き回る“オープンワールド”を採用したゲームも数多く登場しているが、当時、ファミコン全盛期にその先駆けとも言えるとんでもない作品が登場していた。

 それが、バップより発売された『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』だ。本作は、“西遊記”の世界観をモチーフに三蔵法師一行を操作し、天竺を目指して旅をしていくRPG作品。

 本作の最大の特徴は、なんといってもそのフィールドの広さ。約700画面という、当時の作品にしては凄まじい広さが用意されており、それに加えて朝や夜といったリアルな時間経過の概念も兼ね備えているのだ。

 広大かつリアルなフィールドを旅するさまは、まさに“オープンワールド”の元祖……と言いたいところなのだが、このマップの広さこそ賛否両論を呼んだ一つの要因でもある。

 本作はRPGでありながらストーリー背景がほぼ存在せず、「ながいたびがはじまる」のメッセージとともにいきなり広大なフィールドに放り出されてしまう。プレイヤーはとにかく手探りで次の行き先を探すことになるのだが、フィールドを移動する速度も非常に遅く、マップの広さと相まってひたすらに時間がかかってしまうのだ。

 加えて、ゲームシステムやギミックのヒントなどいっさいの説明がないため、徹頭徹尾、プレイヤーが自身の力のみを頼りに、天竺までひたすら長い道のりを進んでいく必要がある。

 BGMやドット絵のクオリティは高いものの、やはり前述のシステムの数々が足を引っ張ってしまっている感は否めない。まさにプレイヤーに「ながいたび」を強いてしまった、“迷作”RPGと言えるだろう。

■有名映画が原作だけど…物議を醸した“迷作”『ゴーストバスターズ』

 徳間書店より発売された『ゴーストバスターズ』は、ご存じ、ホラーコメディ映画として人気を博した同タイトルの映画を原作としたアクションゲームである。

 プレイヤーは「ゴーストバスターズ」としてゴーストの発生したビルに急行し、武器や罠を使ってゴースト退治をしていく……というストーリーだ。

 本作はゴーストが発生したビルを選択する“マップパート”と、現場に急行する際の“ドライブパート”、そしてビルに出現するゴーストを駆除する“アクションパート”に分かれて構成されている。この仕様だけを聞くと原作映画の流れをうまく汲んでいるように見えるものの、実は各パートのそこかしこに“迷作”たるゆえんが散りばめられている。

 まず、現場に急行するための“マップパート”だが、なぜかプレイヤーが操作するのは映画『ゴーストバスターズ』の有名なロゴマーク。ビル群の隙間をロゴだけが異動する姿はなかなかにシュール……。

 さらに、BGMは原作映画のものが再現されているのだが、なんと本作ではBGMがこれ一本しか用意されていないため、ゲーム開始からエンディングまで延々と同じ音楽が流れ続けるのである。

 原作からいろいろと変更されている点も多く、武器や罠はショップで購入する形になっていたり、4人いるはずの「ゴーストバスターズ」が最後まで3人までしか登場しないなど、どうしても原作ファンからすると気になる部分があることは否めない。

 極めつけはエンディング……BGMが流れる真っ黒な画面に、なぜかゆっくりと「りり」という謎のメッセージが浮かび上がってくるという、奇怪極まりない演出で幕を閉じる。ゲーム性もさることながら、容易に理解しがたいラストの演出についても物議を醸しだした、どうにも評価に苦しむ“迷作”ソフトだ。

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