■超神速「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」

 最後はやはり「天翔龍閃」を紹介したい。もちろん、主人公である緋村剣心の奥義だ。「天翔龍閃」は右足を前に抜刀する通常の抜刀とは違い、左足を前に抜刀する。よって、非常にバランスが崩れやすく、最悪の場合だと自分の足を斬るおそれさえある。その反面、踏み込みの速さをそのまま刀にのせることができ、超神速の抜刀術となるのだ。

 物語中盤から剣心を象徴する技となり、四乃森蒼紫や瀬田宗次郎、先に紹介した通り「火産霊神」に競り勝ち志々雄真実にも大ダメージを与えており、作中屈指の撃破数を誇っている。その中から今回は、はじめて剣心が「天翔龍閃」を成功させたシーンに注目してみたい。

「京都編」で志々雄討伐を決意した剣心だったが、今の自分では力不足だと感じていた。さらなる力を求めて、飛天御剣流の師匠であり育ての親でもある比古清十郎のもとを訪れる。「命を捨ててでも」という相当な覚悟で挑んだ修行だったが「天翔龍閃」の習得は難しく、極限状態にさらされてようやくの思いで成功させた。

 このとき、技を受けた比古清十郎は胸を深くえぐられ「お前の『不殺』の誓いの外の事だと思え…」と言い残し倒れる。師匠と弟子のかなり熱いシーンだったが、その後、清十郎は生死をさまようことに……。作中はじめての「天翔龍閃」だったものの、このときからすさまじい技だった。新作アニメでもその威力を確かめたい。

 

 今回は『るろうに剣心』の新作アニメでじっくり詳しく見たい奥義&戦闘シーン3選を紹介した。

 今期の新作アニメは今のところ2クール分だけの放送なので、おそらく序盤の物語になるだろう。しかし今後放送が続けば今回紹介した奥義のほか、四乃森蒼紫の「回天剣舞」、斎藤一の「牙突」、雪代縁の「虎伏絶刀勢」なども登場するに違いない。最新のアニメ技術で表現される『るろうに剣心』の激しいバトルをぜひ見たい。

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