■壮大なシナリオ『天地創造』
最後は1995年10月にエニックスから発売された知る人ぞ知る名作『天地創造』。こちらもスーパーファミコン後期の作品だけに、グラフィックの綿密さや美麗さは一級品だ。
アクションRPGではあるが、かなりアクションに寄ったゲーム性となっており、中でもパズル要素が面白い。物を持ち上げたり引き寄せたりと、さまざまなアクションで謎解きをしながらダンジョンを進んでいく。
とはいえ『天地創造』の本領は、そのシナリオにある。主人公は、モンスターがはびこる荒れ果てた地上に介入していく。陸地が生まれ、鳥や動物も復活していき、都市にまで発達していくようになるのだが、プレイヤーがイベントをクリアするごとに発展していき、ダイナミックで達成感を感じやすい。
また地形は地球とほとんど同じで地名や人名も実在している、もしくは実在したものを採用している。現実世界とのリンクも相まって、他作品にはない独特の没入感を味わえる作品。こちらも同時期に『クロノ・トリガー』や『ドラクエ6』や『風来のシレン』といったビッグタイトルの発売が続き、話題性は負けてしまったが、今なおファンが多いスーファミの名作のひとつだ。
スーファミ後期には『ドラゴンクエスト』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズの他にも、『スーパーマリオRPG』『ロマンシング サ・ガ3』『聖剣伝説3』と、名作や話題作が数多く生まれた。しかし今回紹介した3作品はいずれも、それらに拮抗するクオリティのゲームであった。