■ハニートラップにも見事にひっかかる
荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)には意外にもナンパキャラが数多く登場している。第2部のシーザーや第3部のホルホース、第4部の噴上裕也など「自分は女性に愛されて当たり前」を自負しているようなナンパキャラたちだ。そんな中で女性は好きだけど、まったくモテないのがジャン=ピエール・ポルナレフ。
第3部で承太郎の敵として現れた場面では、強そうなシリアスキャラにしか思えなかったポルナレフだが、仲間になると本性が顔を出しギャグ担当に。女好きということを公言しており、美女を見つけては手当り次第声をかけるナンパぶりだったが、スタンド使い・ネーナのハニートラップに見事引っかかってしまう。
ネーナは旅の途中でポルナレフたちが保護をした美女。だがその正体は、スタンド「女帝(エンプレス)」をジョセフの腕に取り憑かせ、彼を殺害しようとしていた刺客だった。
彼女の「女帝」は本体の血液を付着させた箇所に、人面瘡を植え付けるスタンド。最初はおできのようなサイズだが、次第に人型にまで成長し、口汚い言葉を吐きながら取り憑いた人物を攻撃してくる。
ネーナは本体が自分だとは気づかれないよう、ポルナレフに甘い言葉をかけて誘惑するが、それにまんまと引っかかってしまうのがポルナレフという男だった。「わたしって頼れる男性がいないとダメな女なの」「好きですッ!」と嘘の言葉で誤魔化されたポルナレフはすっかり魅了され、「おれマジに恋に落ちちゃうよーっ ラッキー」とのぼせ上がってしまう始末。だが、「愛の誓い 恋人同士のキスをしようか」とネーナに口づけをしようとした寸前で、ジョセフがスタンドを倒し、本体を撃破。さきほどまでの美人はどこへやら、口から何やら吐き出し、本性である醜い姿をさらけ出したのだった。
以上3人のキャラを紹介したが、『シティーハンター』の冴羽リョウなどもナンパキャラの代表格だろう。