漫画やアニメには架空の乗り物がいくつも登場する。それが非現実的なものであればあるほど、絶対にできないからこそ乗ってみたい!という気持ちにもなる。
しかしそういった乗り物は条件が厳しく、使いこなすことが難しいものばかり。そこで今回は、思わず乗ってみたいと憧れた“現実では不可能な移動手段”を紹介していきたい。
■『ドラゴンボール』筋斗雲
鳥山明さんによる『ドラゴンボール』の孫悟空の乗り物といえば筋斗雲だ。これは『ドラゴンボール』が『西遊記』をモチーフにしている部分もあるので、その流れで登場した乗り物でもある。
筋斗雲は純粋な心を持つ者しか乗れない雲だ。亀仙人も所有者であるからには昔は使っていたはずだが、現在は不純な心の持ち主であるせいか乗れない。まあ、純粋な亀仙人というのも想像ができないが……。
不純な心を持たない人間なんているのか?と考えると、特に大人はこの条件をクリアするのはかなり難しそうだ。それに悟空が使う筋斗雲はそれほど大きくないので、落ちるリスクもかなり高い。しかし幼い頃、悟空が筋斗雲に乗って自由に飛び回る姿に憧れた人は多いはずだ。かくいう筆者も、“雲に乗って空を飛び回ったらどれほど気持ちがいいのだろう”と想像したことがある。
そんな筋斗雲も物語が進んでいくと、舞空術の登場によってほとんど出番がなくなってしまう。これは少し残念でもあるが、悟空は完全版の最終回で舞空術が使えないウーブを筋斗雲に乗せてあげている。このときのウーブの姿が幼い頃の悟空と重ねられていて、なんだか嬉しく思ってしまった。
大人になった今、カリン様のところにあった巨大な筋斗雲なら乗ってみたい気もするが、自分がちゃんと乗れるかどうか考えると不安である。
■『ゲゲゲの鬼太郎』一反もめん
水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』は、妖怪漫画を代表する作品で後世の漫画家にも影響を与えた。これまで何度もアニメ化されており、多くの世代が知っている作品でもあるだろう。
主人公・鬼太郎が悪い妖怪から人間を守るために戦う本作では、多種多様な妖怪が登場。中には飛行する妖怪もいるので、鬼太郎も攻撃をするには空を飛ばなければならない。
そんなとき鬼太郎に協力してくれるのが、一反もめんである。白くぺらりとした布の妖怪で背中に仲間を乗せて飛べるため、鬼太郎が頼る場面はかなり多い。ただし薄く面積も少ないので、立って戦うにはバランスを取るのが難しそうだ。もちろん鬼太郎は慣れた様子で、一反もめんに乗りながらも妖怪に攻撃をしているからすごい。
ひらひらと空を華麗に舞う一反もめんを見ていると、やはり一度は乗らせてもらいたいという気持ちになる。鬼太郎のように立って乗るのはかなり難しいかもしれないが、穏やかに飛んでくれるのならくっついて乗るのは意外といけそう……?
本作には他にも、大量のカラスにブランコを引っ張ってもらって移動するという“カラスヘリコプター”なる移動手段も登場しており、そちらにも憧れを抱いてしまった。