■謎の変化を遂げたパイロットも

 性格がガラリと変わってしまったキャラクターといえば、『機動戦士Zガンダム』から『機動戦士ガンダムZZ』にかけて変貌したヤザン・ゲーブルを思い浮かべる人も多いだろう。

『機動戦士Zガンダム』ではティターンズの優秀なパイロットとして登場し、主人公のカミーユを含め、エゥーゴ陣営に幾度となく肉薄し手を焼かせた。またその実力だけでなく、無能だと判断した上官を謀殺するなど非常にクレバーな側面も持つ。オールド・タイプのパイロットの中ではトップクラスの実力者だった。

 そんなヤザンだが、次作『機動戦士ガンダムZZ』では常に骨付き肉を口にくわえていたりと、小悪党のような、かなりコミカルな性格で描かれるようになっていた。

 とはいえジュドーたちをけしかけて「Zガンダム」を盗ませたり、作業用のモビルスーツで「Zガンダム」に善戦したりと、パイロット能力や狡猾さは変わらず。まるでギャグキャラのように性格が激変した原因は明らかになっていないが、ファンの間では「Zガンダム」に撃墜されたトラウマ説や、酸素欠乏症説がささやかれている。

■かませ犬から人気キャラへ

 7月2日の放送で無事最終回を迎えた最新シリーズ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』だが、もっともキャラのイメージが変わった人物といえばベネリットグループ御三家・ジェターク社の御曹司であるグエル・ジェタークではないか。

 それまで決闘で不敗だったグエル・ジェタークは、パイロット能力に自信を持っており、周りの人物に対しても高慢な態度で接していた。しかし、主人公スレッタ・マーキュリーに負けてからは徐々に雲行きが怪しくなる。父親からは退学を命じられ、家出をし、中小企業のアルバイトとなり、すっかり自信喪失してしおらしくなった。

 その後、戦闘に巻き込まれたことで父を殺害。地球の過酷な環境を経験するなどしてトラウマを背負うこととなり、半ば廃人化することとなる。

 Season2開始までグエルを心配していた視聴者は多かったと思うが、地球での体験で目的を見出したグエル・ジェタークは、一気に前向きになり顔つきまで変化する。激動の人生を歩んだ結果、性格が激変し続けたが、結果的には一回り成長して学園へ帰ってくることとなったのである。かませ犬的に登場し、Season1ではツイッターなどでネタ扱いをされていたが、グエルの物語として『水星の魔女』を見ていたという視聴者も少なくないのではないだろうか。


 以上歴代ガンダム作品から、性格が激変したキャラクターを5人ピックアップしてみたが、性格の変わり方もその原因もさまざま。性格が変わることでキャラが引き立つからなのか、中々に濃いメンツの5人となった。

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