1979年の『機動戦士ガンダム』以降、最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』まで数多くの作品が作られ、今なお世界中の人に愛され続ける同シリーズ。歴代のシリーズの中では初登場時から大きくイメージを変えたキャラも多く、そうした変化は視聴者に大きな衝撃を与えるもの。
たとえば『機動戦士ガンダム』では、アムロ・レイの父親であるテム・レイがそうした人物の一人だろう。
第1話では頼りになりそうな技術士官として登場していたテムは、33話「コンスコン強襲」でアムロと中立コロニー・サイド6で再会する。サイド6で若者たちがきらびやかな生活を送る中、テムはガラクタが散らばるジャンク屋の倉庫2階に住んでおり、そして妙な装置をアムロに使わせようとするのだった。口調や顔つきは過去と変わらぬものの、言動はおかしく、明らかに第1話とは様子が違うように描かれていたが、この原因は酸素欠乏症。重度の酸欠による症状だろうというアムロの見立てだった。
このように『ガンダム』シリーズでは、まるで人間が変わったように変貌してしまい、衝撃を与えたキャラは少なくない。
■顔つきまで変貌していったカテジナ
『機動戦士Vガンダム』に登場するカテジナ・ルースも性格が激変したキャラクターだ。序盤のカテジナは、主人公・ウッソとの文通友だちで、争いを嫌うごく普通の一般人だった。
しかし、クロノクル・アシャーに誘拐されてザンスカール帝国に身を置くことになってからは、徐々にザンスカールのマリア主義に共感、賛同していき、ザンスカール軍の兵士となる。
それからも性格は変化し続け、言動はさらに不安定で過激になり、パイロットの腕も上がっていく。最終的にはリガ・ミリティアの腕利きのパイロットを軽々倒してしまう一騎当千のエースパイロットとなった。
小説版ではスーパーサイコ研究所に強化人間としての処置を受けたという設定があるが、アニメ版ではそういった描写はなく、強化人間なのかは不明である。とはいえかなり強烈に人格が変化しているので、強化されている可能性は高いと考えられる。
『新機動戦記ガンダムW』のカトル・ラバーバ・ウィナーも同じく戦争の最中で自らを変えていったキャラの一人だろう。
カトルは、もともとは心優しく穏やかな性格であったが、身勝手なコロニーの人々への怒りが爆発し、ウインクガンダムゼロの封印を解き搭乗する。そしてゼロシステムに支配され、性格が激変。まだ中に人がいるコロニーを破壊して回るようになってしまったのだ。
部隊を指揮して戦う、穏やかで優しい性格から、憎悪に身を任せて単騎でコロニー破壊をして回るようになる。真逆の性格変化であった。