■『鳥人戦隊ジェットマン』に出演した広瀬裕
美形悪役として、戦隊シリーズの悪役に数多く抜擢された広瀬裕さん。
80年代から俳優として数々の作品に出演しており、『超新星フラッシュマン』のレー・ワンダー、『鳥人戦隊ジェットマン』のトランザ、『五星戦隊ダイレンジャー』の魔拳士ジンなど、特撮作品への出演回数もかなり多く、当時から人気があった特撮俳優の一人だ。
“プライドが高いナルシスト”などアクの強いキャラクターも多く、広瀬さんは敵幹部のなかでも圧倒的な存在感を放っていることが多い。
広瀬さんの演じるキャラクターがメインで登場するエピソードはファンからも評価が高いが、とくに『鳥人戦隊ジェットマン』の47話「帝王トランザの栄光」は、戦隊シリーズ内でも“トラウマエピソード”として語り継がれているほど。
仲間内でさんざん威張り散らしたことが仇になり、力を失ってしまった敵幹部・トランザが抜け殻のようになってしまうというエピソードなのだが、広瀬さんの演技は壮絶そのものだった。全身が包帯に覆われ、目は虚ろで、半開きの口からはよだれが垂れている……という、幹部として活躍していたころからかけ離れた姿になってしまう。
ちなみに、よだれを垂らしたのはアドリブだそうだ。このような高い演技力も、彼が特撮俳優として時代を超えて名を馳せている理由の1つなのだろう。
今回紹介した80年代は、現在のようにインターネットがコミュニケーションツールとして発展していないこともあり、当時の声を知ることはなかなか難しい。しかしヒーローや悪役をカッコイイと思う気持ちは、どの時代の視聴者も同じではないかと思う。
当時、多くの女性ファンを魅了した彼らの作品を、この機会に振り返ってみてはいかがだろうか。