■忍術と空手をミックスさせたバトルが面白かった!『NINKU -忍空-』
1993年から連載スタートとなったのが、桐山光侍氏による『NINKU -忍空-』で、こちらも隠れた名作だった。主人公・風助は忍術と空手を組み合わせた武術を誇る忍空使いで、忍空組の一番隊隊長でもある。
忍空は忍者の技とスピード、空手のパワーを併せ持ち、戦国の世を平定するのに尽力したほどの武術使い。12の隊に分かれており、最強を誇る隊長は“干支忍”と呼ばれている。
風助は真ん丸の目玉に舌を出しており、まるでカエルのような顔をしているのだが、心は男前で優しい性格の持ち主だった。風を操るので“風の風助”といわれ、空手裏剣や空圧拳など離れた相手や接近戦にも風の力で相手を攻撃する。
当時、筆者は高校生になっており、『月刊少年マガジン』(講談社)の『修羅の門』や『鉄拳チンミ』に影響を受けて格闘技が大好きだったこともあって、『忍空』も楽しみに読んでいた。ただ、途中で連載が中断し、干支忍との対決が途中のまま終了してしまったのが残念だったな(10年後に『ウルトラジャンプ』へ移行して続編は完結している)。
さて、人によって「ジャンプ黄金期」は異なるものだろう。ほかにも感動ボクシング漫画の『神様はサウスポー』や、ミステリアスな『アウターゾーン』、プロレス漫画ながらギャグ満載の『THE MOMOTAROH』、熱血柔道漫画の『ひかる!チャチャチャッ!!』……など、ここで書き切れないほど黄金期を支えた良作はたくさんあったものだ。