■お手頃価格で楽しめた小学生ご用達のボードゲーム『パーティジョイ』

 玩具の雄とも称されるバンダイが、1983年から発売したボードゲームが『パーティジョイ』シリーズだ。約10年の間に「135本」のゲームを世に送り出すが、いくつもの派生シリーズがあるため実際の総数は「135本以上」とも言われている。そのためラインナップもバラエティに富んでおり、『悪霊島ゲーム』や『モンスター学園ゲーム』のようなオリジナル作品から、『キン肉マン』をはじめとした漫画、アニメ、特撮など、いわゆる子どもが好きなモノを網羅した大ヒット商品だ。

 また、1983年といえば任天堂からファミリーコンピュータが販売された時期でもあるが、本シリーズには『スーパーマリオブラザーズ』や『ツインビー』などのテレビゲームシリーズが作られており、まさにデジタルとアナログが混在する過渡期でもあった。

 B5サイズの小さなパッケージは子どもの手に取りやすく、ランドセルに入れても邪魔にならない大きさ。林間学校や修学旅行のカバンにコッソリ忍ばせて、夜に友達とワイワイ楽しんだ人も多いのではないだろうか。そんな『パーティジョイ』最大の魅力は、何と言っても「1000円」というお手頃価格かもしれない。お小遣いをやりくりすればどうにかなるこの値段は、子どもたちの購買心やコレクション心もくすぐった。

 難解な形となった知恵の輪の進化系、最近復刻版が話題となった『スピンスタジアム』、麻雀を簡易化した『ドンジャラ』と『ポンジャン』など、1980年代はボードゲームの黄金期でもあった。1988年にハドソンから『桃太郎電鉄』が発売されるまでは、エポック社の『日本旅行ゲーム』で日本の地名や特産物を学んだ人もいるだろう。

 楽しいだけではなく、学んだり、判断や頭の回転を鍛えてもくれたこれらゲームが、次はどんな進化や姿になるのか楽しみだ。

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