『機動戦士ガンダムUC』強さと優しさを兼ね備えたマリーダ・クルス「ガンダム好きな女性キャラ」上位常連の魅力を探るの画像
『機動戦士ガンダムUC』Blu-ray BOX Complete Editionより(C)創通・サンライズ
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 2010年にOVAとしてリリースされた『機動戦士ガンダムUC』。2016年にはテレビアニメシリーズも放送された『機動戦士ガンダム』シリーズでも大人気の作品だ。ニュータイプの存在と宇宙世紀の歴史に一石を投じる『UC』では、主人公のバナージ・リンクスをはじめ、ミネバ・ラオ・ザビにフル・フロンタルといったキャラが登場するが、同作を語るうえで強化人間であるマリーダ・クルスの存在が欠かせない。

『UC』だけでなく、歴代の宇宙世紀シリーズを含めても好きな女性キャラとしてネットでも名前が挙げられることが多い彼女。今回は、さまざまな観点から彼女の魅力を紹介したい。

■長い髪が特徴!冷静な表情を崩さないクールビューティ

 まずは、マリーダ・クルスの基本情報を振り返りたい。彼女はネオ・ジオン残党、通称「袖付き」に所属している軍人で、ミネバ・ラオ・ザビ殿下護衛を任務とするガランシェール隊所属のモビルスーツパイロットだ。

 実力は十分で、「袖付き」において唯一ニュータイプ専用モビルスーツ「クシャトリヤ」を操縦できる貴重な存在でもある。

 そんな彼女は、クールビューティと呼ぶにピッタリの美貌の持ち主。まず目を引くのは、栗色の長い髪で、うしろ髪を縛っているのが特徴だ。そしてクールな表情を崩さない整った顔つきは、放送当時から視聴者人気が高かった。クールな性格も相まって無表情な印象は強いが、時折見せる笑顔がかわいらしく、とても印象深いキャラだった。

■『機動戦士ガンダムZZ』を起源とする壮絶な過去

「袖付き」のパイロットとして優秀なマリーダだが、その起源は宇宙世紀0088年の第一次ネオ・ジオン抗争(『機動戦士ガンダムZZ』)にある。彼女はグレミー・トト率いるニュータイプ部隊の隊員で、コードネームは「プルトゥエルブ」。クローン人間「プルシリーズ」の1人だ。この情報が明かされた際は、筆者も含め多くの視聴者が驚かされたに違いない。

 プルシリーズは第一次ネオ・ジオン抗争時点で全滅したと思われていたが、プルトゥエルブは脱出ポッドで地球へ逃れていた。一見、生き延びられて幸運だったようにみえるが、その後の人生は悲惨そのもの。悪質な人間売買業者に拾われた彼女は娼館に売り飛ばされ、そこでの日常から心を閉ざしてしまう。

 しかし、ガランシェール隊の船長であるスベロア・ジンネマンに引き取られ、徐々に心を開いていく。結果として再び戦場に帰ってくることになるが、娼館での日常やジンネマンとの絆を考えると、彼女にとっては幸せだったに違いない。娼館での辛い日常を糧として生きる強さは、間違いなく彼女の魅力のひとつといえる。

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