「キャラ弁」や「デコ弁」が流行り出したのは、いつのころからだろうか。普段のお弁当だけではなく、とくに遠足や運動会などのイベント時に張り切ってキャラ弁作りに取り組むご家庭も少なくない。その背景もあってか、100円ショップなどでもキャラ弁やデコ弁用の“ハサミ”や“ピンセット”、“パンチ”など、さまざまな便利グッズも販売されている。
しかし、忙しい朝にキャラ弁を作るのは、なかなか難しいのが現実……。それでも子どもが喜ぶキャラ弁を作るため、世の先輩ママたちは工夫を凝らしてきた。今回は、そんな工夫の一つである、画期的な「オブアート」について紹介したい。
■キャラ弁なんて…と思っていたものの
息子が幼稚園に通っていた当時、慣れないキャラ弁作りに取り組んだ経験がある。
「キャラ弁なんて絶対作らない」そう思っていたけれど、入園当初、幼稚園に行きたがらなかった息子に少しでも楽しく過ごしてもらえたら……と、作り始めてしまった。正直、大変だったが、お弁当の蓋を開けて笑顔になる息子の姿を想像すると、なんだかんだで奮起してしまうのだ。
そうこうしているうちに3年が経ち、100円均一で買ったキャラ弁グッズは増え、冷凍食品を織り交ぜながらの手抜きも上手になり、いつの間にかキャラ弁作りにも慣れていった。
面倒さを感じることもあったけれど、完食した空っぽのお弁当箱を見るたびになんとも言えない嬉しさを感じた。小学生になって給食生活となり、お弁当作りがなくなることがなんだかさみしく思えたほどだ。
■当時、流行っていたのは「海苔アート」
筆者がキャラ弁作りに取り組んでいたのは、2019年4月から2022年3月まで。その当時は、「海苔アート」が主流だったと思う。
海苔アートとは、その名の通り、海苔を使ってアートをすること。切った海苔を直接ご飯の上にのせることもあれば、ご飯の上にスライスチーズをのせ、その上に貼り付けることもある。
基本、ご飯やチーズと海苔だけで仕上げていくのだが、白と黒のモノトーンカラーがパキッと綺麗で、それだけで見栄えが良い。さらにハムや薄焼き卵を使うと、キャラクターのバリエーションも増える。
しかし、海苔を切る作業はなかなか難しく辟易した。とくに、キャラクターの“目”のパーツを貼り付けるときには慎重になる。“目”だけで、顔の印象がガラッと変わってしまうからだ。
数をこなすうちに慣れていくとはいえ、忙しい朝の時間にキャラ弁を作るのはなかなか至難の業だった。朝一番に口に入れる食べ物は、だいたい切り損ねて失敗した海苔とチーズ……それを朝食代わりにすることもよくあった。もはや懐かしい。
■今や時代は「オブアート」…?
現在、小学校2年生になった息子。先日、運動会でお弁当を持って行く機会があった。「ママ、運動会でキャラ弁作って!」と頼まれたが、卒園から2年も経つと息子の好きなアニメもガラッと変わる。
リクエストされたのは、『ドラゴンボール』孫悟空、『幽☆遊☆白書』浦飯幽助、そして、『名探偵コナン』江戸川コナン。少し前のアニメにハマっている息子らしい選択だったが、海苔アートには複雑すぎるキャラクターばかりで参った……。
そんなときネットで見つけたのが「オブアート」だ。オブラートの下に描きたいイラストを置き、食紅などで色を作って細い筆で直接なぞって絵を描いていくという。要は、自作の「ぬりえ」だ。
とはいえ、絵が相当に苦手な筆者にとって、“食紅を混ぜて色を作る”こと自体ハードルが高い……。しかし、さらに見つけた便利アイテムが、食用インクで作られた「フードペン」。これだったらいけるかも!と、10色入りのフードペンを購入してみた。