仮面ライダーといえば悪役のキャラクターの濃さや、怪演ともいえるような印象に残る名演技がたびたび話題になる。2022年に公開された『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』では、ケイン・コスギさんが理想の実現のためにテロを起こすという悪役を見事に演じ、キレのあるアクションを見せ話題になっていたのが記憶に新しい。今回はそんな仮面ライダーの悪役が見事にハマっていた俳優を3名紹介していこう。
■『劇場版 仮面ライダーウィザード IN MAGIC LAND』に出演した忍成修吾
2013年に公開された『仮面ライダーウィザード』の映画作品である『劇場版 仮面ライダーウィザード IN MAGIC LAND』。主人公・操真晴人とヒロイン・コヨミが、誰でも魔法を使うことができる異世界に飛ばされてしまうというストーリーである。
本作で忍成修吾さんは、その異世界の大王であるマヤ大王を演じた。
大魔法使いとして異世界で絶対的な権力を持つマヤ大王だが、実は生まれつき魔力を持っておらず、大臣の管理下でその事実を隠して生きてきた。そうしたことから孤独感に苛まれ、すべての魔法使いを消し去ろうとするなど、強い破滅願望を抱くキャラクターだ。
王の貫録を感じさせる尊大さとどこか影のある演技が、忍成さんの持つ雰囲気と非常にマッチしていたように思う。
特撮作品への出演が初挑戦だった忍成さん。最初は不安もあったそうだが「キャストに陣内さんの名前があって安心した」とインタビューでは笑顏を浮かべていた。そして、決めポーズをとるのが「初めてだったので恥ずかしかった」とも明かしている。しかし、そうした恥ずかしさのようなものを感じさせない堂々たる演技をしていたのは、さすが“プロ”といったところだろう。
ちなみに忍成さんは、最新作の『仮面ライダーギーツ』にも出演しており、こちらでは仮面ライダーに変身している。悪役とヒーローどちらも演じることができる彼から、今後も目が離せない。
■『劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』に出演した真剣佑
2015年に公開された『仮面ライダードライブ』の映画作品『劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』は、主人公・泊進ノ介とタイムスリップしてきた進ノ介の息子を自称する泊エイジが邂逅するというストーリー。
いつものように本作の怪人・ロイミュードを倒そうとした進ノ介だったが、変身ベルトの暴走により周辺施設を破壊してしまう。そんな彼を助けにやってきたのが、真剣佑(現:新田真剣佑)さん演じるエイジだった。彼は、ロイミュードの支配する未来から来たと言う。
周辺施設を破壊してしまったことで警察に追われる進ノ介を助けようとする素振りを見せるエイジだったが、実は彼はエイジに擬態したロイミュード108だった。過去の自分と融合し、「永遠のグローバルフリーズ」という大規模な重加速現象を引き起こすために進ノ介を利用したのだ。
高校を卒業するまで米ハリウッドで生活していた真剣佑さんだが、仮面ライダーシリーズは小さいころからレンタルで見ていたそうで、「仮面ライダードライブという新しい、一度しかない“車”のシリーズに出演できることをうれしく思い、ワクワクした」とコメントしている。
進ノ介の息子であることを信じてもらおうとする健気な演技と、正体を明かしたあとのヒール役全開の演技の二面性にはとても引き込まれた。世界的なアクション俳優だった彼の父、千葉真一さん顏負けのアクションシーンも必見だ。